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1998年6月6日(土)

【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・富田 剛・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「来週から第3迷宮探索開始になりましたよ」
 ビールを一気に開けた後で中尾 智史がこのように報告をした。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が訪れている。いつもの場所で飲んでいる前田 法重とその仲間達は、いつものように宴会を開始し、いつものように盛り上がっている。開始と同時にものすごいスピードでビール瓶が空いていくが、前田 雅美がそれが気にならないように空き瓶を片付けたり、新しいビールを持ってきたりしている。まさに職人芸だ。ある程度飲み進めて、少しペースが落ちてきたあたりで中尾が先ほどの発言をしたのである。
「第3迷宮を探索するのは絶対運命黙示録部隊と、電車でGO部隊とギンガマン応援部隊なのですが、この内絶対運命部隊は来週の木曜日に探索予定です。他の2部隊は一旦来週の探索は見送りです」
 全員に状況が伝わるように中尾がなるべくわかりやすく説明を行う。これを聞いて理解できないような素人はここにはいない。
「そうか。わかった。とにかくできる限りのフォローはするようにしよう」
 そう言って前田は空いている中島 一州のコップにビールを注ぎ、中島から返盃を受けた。
「そう言えば一州さんのお子さんっていくつになったんですかね」
 ふと思いついたことを本田 仁が尋ねてみる。
「うち?えっと秀一が6つで憲二が3つで叶恵が2つだね」
「あ、秀一くんはもう6つなんですね。来年小学生じゃないですか。早いなあ」
 人の家の子供は成長が早く感じるというが、それを本田は今まさに実感している。この後、子供の年齢の話になり、富田 剛の娘穂樽が1歳、大塚 仁の娘瀬名も1歳、中尾 智史の娘華は先月生まれたばかりということを再認識する。
「前田さんと原田さんの所はまだですかね」
 今の話の流れで大塚が質問するが、前田と原田はお互い顔を見合わせて、何と答えるかを思案する。
「こればかりは授かりものだからな」
「ですよね。まあ慌てず騒がず」
 前田が思っていることを口にして、原田もそれに答えた。こうなってくると、次に出てくる話題は1つしかない。
「ていうか、本田君は結婚しないの?」
「こればかりは授かりものですからね」
「授かり物じゃねー」
 疑問の言葉を投げかけた富田に本田は軽く答えたが、それに対して大塚が音速の突っ込みを入れた。

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