見出し画像

2024年4月17日(水)《GB》

《豊後水道で震度6弱の地震。被害が大きくならないことを祈ります。熊本は震度3でした。結構揺れました》
【魔術師鍛錬場:富田 穂樽・鈴本 法子・北 真理恵】
「何だかんだいっても2年差があるからね」
「永遠に追いつけなさそうだ」
 鍛錬の休憩中に富田 穂樽が発した言葉に、鈴本 法子がため息混じりに返事を返す。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行っている。ベテラン魔術師四天王と呼ばれている富田と北 真理恵、鈴本の3人は朝から一緒に鍛錬を行っており、現在休憩中である。もう1人の四天王である竹谷 友莉は本日探索日なので、鍛錬場には現れていない。ベテランという言葉の定義は難しく、その時々や状況によって変わるものだと思われるが、現在の魔術師では59期以前の冒険者がベテランだと評価されている。ちなみに富田は54期、竹谷が56期、北が58期で鈴本が59期である。ちなみに60期と61期の魔術師は全員引退しているので、次に古い魔術師は62期の坂上 美里となっている。ベテラン勢の中でも中級魔法であるメテオストームを唱えることが出来るのは富田だけであり、他の3人はまだ初級魔法から抜け出せない状況が続いている。ただ、入隊時期が異なり、同じタイミングで富田が中級魔法を覚えていたわけではないので、習得スピードが遅いのかというとそうではないのである。
「長く続ければ続けるほど差は縮まるはずなんだけどなー」
「でもそもそも穂樽さん能力高いからそりゃ追いつかないわよね」
 ため息をつきながら鈴本が言葉を発し、軽く笑顔を浮かべて北が返事を返す。現在残っている60期以前の魔術師はそれぞれその期の中では1番能力が高いと言われていたメンバーである。ただ、期ごとの比較になると、50期台の中では富田の能力が抜きん出ていると言われていたのだ。
「私らはそんなに変わらないと思うわよ」
 そう言いながら富田は教官の川島 くるみと何やら話をしている本田 仁に視線を向ける。彼こそは化け物であり、歴代魔術師で圧倒的に最強であるとの評価を受けているのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?