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1996年7月17日(水)《BN》

【南地区レストラン:大島 めぐみ・山下 茜・金田 真澄・相川 まこと・内田 佳奈美・松島 明日香】
「では来週はボス戦ということで」
「了解です!」
 料理を待っている時間に大嶋 めぐみが発した言葉を聞いて、山下 茜が返事を返し、それに全員が頷きをすることで了承した。ここは『南地区レストラン』。お昼過ぎの時間であり、店内にはたくさんの冒険者や職員が訪れている。黒髪歌撃団部隊のメンバーたちも、先程ここに訪れて、料理が運ばれて来るのを待っている状況だ。本日は朝から第2迷宮の地下2階を訪れて、いつものようにトレーニングルームで戦士3人の実力アップの鍛錬を行っていた。もちろんここで出現する亜獣を倒すことはまだ出来てないが、トレーニングを開始した当初に比べると明らかに実力はアップしていることは間違いない。そこでそろそろここでのトレーニングを切り上げて、地下2階のボスとの勝負を行おうかと検討していたところなのだ。
「では一応作戦をまとめとこうか」
 こう言いながら手帳を出して、話した内容を記録する準備をする。
「地下2階のボス戦は始まった瞬間に2人以外は動けなくなるらしく、その原因は目に見えている変なヘルメット被った亜獣以外に目に見えない亜獣がいるからだとのことです」
 まずは地下2階のボスについての状況を話し始める。
「そのボスは戦士が1対1で戦うと、ヘルメットの効果によって剣が吸い寄せられるので厳しいらしいけど、戦士2名だと大丈夫だとのこと」
 続けて、ヘルメットを被ったボスの詳細について説明する。
「だから、最初の2名が戦士2名で選ばれたら問題なし。そして明日香が選ばれたら、目に見えない亜獣に対してTNT打てば終わり」
 初めの2名が戦士だった場合と、魔術師が選ばれた場合については問題ない点を認識する。
「問題は戦士・僧侶、戦士・罠解除士、僧侶・罠解除士の時だけど」
 こう口にした大島が考えだしたので、他のメンバーも一緒に頭を悩ます。状況的にどうすれば良いのかがすぐに頭に浮かばないようだ。すると少しため息を吐きながら相川 まことが口を開く。
「私選ばれたら先ずは私が亜獣の攻撃喰らって戦闘不能になるのが早い気がする。そして戦士か明日香選ばれたら終了。佳奈美が選ばれたら戦士・僧侶のパターンだね」
 このボス戦で自分が選ばれても倒される以外にやることがないことを口にし、他のメンバーはそれはどうなんだとも考えたが、他に方法が浮かばないのは確かである。
「佳奈美選ばれたら、何とか目に見えない亜獣見つけて紫球で倒すしかないわね」
「そいつの気配のなさと強さによるからなんとも言えないけどね」
 僧侶が選ばれた場合について松島 明日香が口にして、それに内田 佳奈美が返事を返す。この後もいろいろ戦法について話をしたが、これ以上の物は浮かばなかったので、料理が運ばれてきたタイミングでこの話題は一旦終わることにしたのである。

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