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1996年6月25日(火)《BN》

【魔術師鍛錬場:松浦 さやか・津野 汐美・浜口 茉由美】
「はあ、出来ましたわ」
「汐美ちゃん。大爆発おめー」
 目の前に浮かんでいた光球が、いつもとは違う爆発をしたのを見て津野 汐美が言葉を漏らし、隣にいた松浦 さやかが祝福の声をあげた。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行っている。12期の魔術師である松浦と津野、浜口 茉由美は朝から一緒に鍛錬を行っており、まだ12期では誰も成功していない大爆発の呪文発現を目指して鍛錬を行っていた。そして先程、津野が成功したのである。
「やっぱり先を越されたか。悔しい」
「まあこれまでも汐美ちゃんが一番だったからね」
 歯がゆい表情を浮かべながら浜口が口にした言葉に、松浦が笑顔で返事を返す。現在残っている12期魔術師の4名の比較では、入隊試験時から津野の才能は少し抜けており、ここまでの課題は常に津野が最速でクリアしているのである。ちなみに12期残り3名の比較では、次に来るのが浜口であり、本日探索を行っている大林 泉帆と松浦はその次となり、鍛錬ペース的にはのんびりとしているのである。
「残るは私とさやかと泉帆だな。負けないよ」
「あまり勝てる気はしないけど頑張る」
「2人とも頑張れー」
 少し気合を入れた表情を浮かべながら浜口が発した言葉を聞いて、松浦が苦笑いしながら返事を返す。そして、先程合格した津野が2人に声援を送った。この後も正午少し前まで鍛錬を続けたが、結果2人は本日大爆発を発言することは出来なかった。そしてその後は津野の大爆発成功記念という名目で、一緒にランチを食べるべく『南地区レストラン』へと向かったのである。

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