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1999年5月4日(火)

【本田邸:本田 仁・大塚 仁・中尾 智史】
「本田カードの引き良すぎ」
「引きだけじゃない気がしますが」
 シールド戦を終えてほぼ完敗だった大塚 仁が思わず発した言葉に、本田 仁が冷静に返事を返した。ここは本田邸。本日はゴールデンウィーク真っ最中であり、冒険者たちも旅行に行ったり実家に帰ったりと慌ただしく過ごしている。大塚と中尾 智史も奥さんと一緒に実家に帰っていたが、ひと足さきに黒髪に帰ってきたのである。そこで本田に連絡を取って一緒に遊ぶことにした。何をするかで少しだけ悩んだが、久ぶりにMTGを本気でやろうということになったのである。そこで、いつものように建軍にあるカードショップ『HAT』までカードを買いに行く。3人共が“ウルザズサーガ”2箱と“ウルザズレガシー”1箱を購入し、黒髪へと戻った。そして飲み物等を仕入れて、本田邸で大シールド大会を始めたのである。シールド戦の方法は各地でいろいろと違いがあるのであろうが、黒髪ルールは現在発売中のブロックで拡張セットがまだ出てない場合は基本エクスパンションを3パック、もしくは1つ前のブロックを使用。拡張セットが1つ出ている場合は基本エクスパンション2パックと拡張セット1パック。拡張セットが2つ出ている場合は基本エクスパンション1パックと、拡張セットをそれぞれ1パックでシールド戦を行うことにしている。現在の状況は昨年の11月に“ウルザズサーガ”が発売され、今年の2月に“ウルザズレガシー”が発売されている。なので、現在は拡張セットが1つの状況なので、“ウルザズサーガ”2パックと“ウルザズレガシー”1パックを使用することとなるのだ。
「まあ多少引きの強弱もありますけど、本田さんが強いのは“じつりき”ですよね」
「そう言われると良い気がしないな」
 実力をわざわざ“じつりき”と口にした中尾の表情を見て、少しバカにされている気がした本田は、軽く否定の言葉を述べたあとでジュースを口に運んだ。

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