1996年5月6日（月）《BN》

【ハイライト：山口　可奈・太田黒　佳美・小林　みゆき・吉川　美穂】
「それではまた明日から頑張りましょう。乾杯！」
　元気な山口　可奈の乾杯の掛け声で、全員がドリンクを口に運んだ。ここはスナック『ハイライト』。本日は振替休日であり、明日からゴールデンウィーク明けの平日が始まる。だからであろうか、店内は閑散としており、静かな雰囲気である。ゴールデンウィークは各々いろいろな用事があり、別々に過ごした教官たちであるが、明日から2次試験が再開されるので、景気付けに今日集まって飲む約束をしていたのである。しばらくはゴールデンウィークに何をしていたとか何処に行ったなどの話を行っており、4人が4人とも楽しんだ思い出話を順番に話をした。そしてそれが一通り終わった後、少し真剣な表情になって山口が口を開く。
「で、14期はどんな感じ？」
　もちろんこの話題になるのはわかっていたので、聞かれても答えられる準備はしている。
「じゃあまず私から。戦士は13期と比べるとかわいそうだけど、やはり少し落ちますね。ただ、中尾さんが良いのが4人悪いのが4人居るって言ってたんですよね。悪いのはわからないですが、私が見て良い4人は前野さん、雨宮さん、倉本くん、宮沢さんの4人です。他は今の所の評価ですが、まだ荒い感じです」
　まず初めに戦士の状況について小林　みゆきが説明する。まだ実質2日の評価なので、暫定ではあるが現在はこのようである。
「僧侶です。僧侶も全体的に平凡ですかね。その中でも野本さんは3日目に課題をクリアしたので1つ抜けてます。他には関川くんと深田さんあたりはセンスがありそうです」
　次に僧侶の状況について吉川　美穂が説明する。僧侶も同じく驚くほどのレベルの高さではないが、見どころのある受験者が何人かはいるようだ。
「じゃあ魔術師ね。魔術師も1名クリア者がいて、鬼束さんだけど、彼女は結構良さそう。他は十把一絡げって感じかな」
　魔術師について太田黒　佳美が少し厳しい判断を口にする。太田黒は1期試験時からいるので、13期だけでなく、今までの魔術師全体との比較を行ってしまうのである。もちろんその中には本田　仁もまじっているので、どうしても評価が厳しくなるのは仕方がないと言うものだ。
「最後、罠解除士ね。罠解除士は結構レベル高そう。クリアしてるのは築山くん1人だけど、金谷くんとか赤澤さんとか、すぐにクリアできそう。それと他のメンバーもやれる雰囲気はあるんだよね。期待十分だと思う」
　最後に山口が罠解除士はレベルが高そうだとの話をする。これで全職種の情報共有が終わったので、この後は細かい部分についての説明や質問などを行いながら、楽しい夜を過ごすのであった。