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2024年5月4日(土)《GB》

《世の中お金がないと楽しめないですよね。でも無いです。貧乏金なしとはよく言ったものです。》

【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「いやー今日はいつにも増して酒が美味いですなあ」
「美人を見ると酒が美味く感じますよね」
 だいぶん酔った感じの原田 公司の言葉に、こちらもかなり酔っている中尾 智史が返事を返した。ここは居酒屋『道』。ゴールデンウィーク真っ最中ということもあり、土曜日にしては客足も少なめである。そんなゴールデンウィーク真っ最中であるが、黒髪てへトリオ部隊のメンバーは当たり前のように『道』に集合し、当たり前のように宴会を行なっている。本日はアルバイトのメンバーたちが実家に帰ったり予定があったりと誰もシフトに入れない日だったので、臨時で前田 綺羅と前田 梨奈、富田 水無が店を手伝っている。綺羅の可愛さはプロレベルであるし、水無と梨奈も普通以上に可愛いレベルである。子供世代であるとはいえ、やはり可愛い女の子を見るのは癒されるものである。
「まあ、前田くんは自分の娘だからね」
「でも水無ちゃんがいますよ」
 唯一そこまで楽しそうではない前田 法重の様子を見て中島 一州が声をかけ、それを聞いた本田 仁がフォローを入れる。そもそもこの店自体が前田の妻である前田 雅美が運営しており、今日は娘の2人が一緒に働いているので前田家全員集合状態である。
「いや、そういうことじゃなくて」
 何か周りに誤解をされてそうだと感じている前田だが、詳しいことは言わず、否定の言葉だけ口にした。前田がイマイチ盛り上がってない理由は、周りがテンション上がっているかわいい店員3人のうち2人が自分の娘だからなのはそうであるが、理由としては、可愛い女の子を見て酒が美味しくなるとかではなく、単に娘の目の前でテンション上げて酒を飲むのが嫌なだけなのだ。普通に飲む姿を見せるのは構わないが、テンションが上がりきって頭おかしいようになっている姿を見せるのは父親としてやはり避けたいのである。
「まあ、俺はいいからみんなで盛り上がってくれ」
 そう言いながら、本日はアルコールを消費することに重点を置いた前田は、頭おかしい会話を繰り広げている後輩たちを眺めながら、黙々とアルコールを体に流し込んだのである。

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