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1998年6月18日(木)

【富田邸:富田 剛・大塚 仁・本田 仁】
「どうなんだろうなあ」
「今のところ驚くほどはないですね」
 カードを見つめながら富田 剛が発した言葉に大塚 仁が感想を述べた。ここは富田邸。本日通常富田が店番をしているゲーム喫茶『アクシズ』のゲームセンター部分はバイト生に任せて、富田は午前中罠解除士鍛錬場をぶらっと訪れた。そこで大塚と一緒に後輩の指導を行い、その後本田 仁と合流し、『南地区レストラン』で昼食を取る。昼食を食べた後、本田の運転で健軍方面へ向かい、カードショップ『HAT』でトレーディングカードを購入した。購入したカードは“マジックザギャザリング”というカードゲームの“テンペスト”ブロック最後のエキスパンションであり、15日に発売された“エクソダス”である。本日はこれを使ってシールド戦を楽しむ予定だ。ちなみに、“エクソダス”だけでシールド戦を行うのはバランス的にあれなので、一緒に“テンペスト”も購入する。結果購入したのは各自“テンペスト”1箱と“エクソダス”2箱だ。結構な金額するが、現役冒険者の大塚と本田にとってはそこまで厳しい金額ではない。富田にとっては結構な出費だが、妻の富田 さやかにバレなければ何てことはないのだ。
「シールドはカードの引きにもよるからな」
「いやいや、実力ですよ」
 あまりマジックが上手ではない富田はすぐに言い訳じみた言葉を吐くが、本田がそれに正当な反論をする。もちろん結論的には引いたカードの良し悪しでデッキの強弱は決まるが、それは引いたカードで完璧なデッキを作った場合の話である。そもそもデッキをうまく作れなければ引いたカードの良し悪しで語ることは出来ない。3人は本日の午後のほとんどをマジックに費やして、日が沈んだ後で『道』に向かい、“エクソダス”の話題を肴にお酒を楽しんだ。

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