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2024年6月17日(月)《GB》

《競馬が好きな人は血統を気にしますが、人間に置き換えると変な感じがしますね。奇跡の血量・・・》
【罠解除士鍛錬場:大塚 大吾・平木 朋花・寺山 求・根岸 大地・久保田 裕之】
「大吾くんはサラブレッドだからねえ」
「何かブンレッドみたいな発音やったな」
 笑顔を浮かべながら平木 朋花が漏らした言葉に、大塚 大吾が返事を返した。ここは午前中の罠解除士鍛錬場。本日もたくさんの罠解除士が鍛錬を行っている。68期の罠解除士5人は朝から一緒に鍛錬を行っており、罠を作ったり解除したりを繰り返している。その中で、一番難しい罠を発現出来るのは大塚であり、これは罠解除の能力が一番高いことを表している。大塚はセカンドチルドレンであり、父親も母親も罠解除士であった。下の姉こそ戦士系であるが、上の姉も罠解除士なので、家族5人の内4人が罠解除士という構成なのである。まさにサラブレッドと呼ぶに相応しい状況なので、先程平木がこのことを口にしたのである。ちなみにブンレッドとは現在放送されているスーパー戦隊である“ブンブンジャー”のレッドのことである。
「実際現在の罠解除士の序列で、1番上が仁さんで、2番目が瀬名さんだからね。才能はとてつもなさそうだ」
「イクイノックスとアーモンドアイの子供みたいなもんだよな」
 現在の罠解除士の序列における大塚家について寺山 求が口にし、その言葉を聞いて趣味が競馬である根岸 大地が大吾の血統について、実際のサラブレッドを引用して説明した。イクイノックスとアーモンドアイとは近年の日本競馬において、最強に強かった2頭であり、この2頭の子供が来年生まれる予定となっているのである。
「親父のイクイノックスはともかく、おふくろはアーモンドアイではない気がする」
「失礼やな」
 正直な感想を大塚が口にし、それに久保田 裕之が突っ込みを入れる。母親は大塚が生まれる時にはすでに冒険者を引退しているので、どれぐらいの才能があったとか、どれくらいの活躍をしていたかなどのデータはほとんど残っていない。ただ、本人が自分は大したこと無かったと事あるごとに話をしているので、大塚としてはそれを信用して、先程の発言となったのである。

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