2024年8月16日(金)《GB》
《お盆休みが終わり今日から通常営業です。とはいえ明日は土曜日なので、今日も休みで良かったかも》
【戦士鍛錬場:黒瀬 舞人・財津 彩人・澤口 恭平・大賀 尚恵・五島 玲美・城戸 秀治】
「宮崎土産の青島せんべいが冷蔵庫に入っているので適当に食べてください」
同じ戦士の仲間たち用に宮崎土産を大量に買ってきていた財津 彩人が、本日出会った人全員に声をかけている。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。冒険者のひとりごと部隊の黒瀬 舞人、財津、澤口 恭平の3人と、一刀流でも大谷さん部隊の大賀 尚恵、五島 玲美、城戸 秀治の3人は朝から合同で鍛錬や模擬戦を行っている。昨日までお盆休みであり、戦士のメンバーもそれぞれ帰省していたようであり、ラウンジに設置されている共用冷蔵庫の中には、各地のお土産がたくさん保管されている状況だ。このお土産に関しては、特に誰が食べて良いとのルールもないので、常識の範囲内で気に入ったものがあれば、それを食することが出来る。ただ、頂いた場合は社会人のマナーとして、頂いたこととそのお礼を買ってきた人に伝えることになっている。
「あれ、財津くんって熊本じゃなかったっけ?」
宮崎土産を買ってきたと聞いて、五島が疑問を口にする。今までに聞いていた話だと、出身は熊本だったはずだ。
「いや、俺は熊本だけど、同じ部隊の女の子が宮崎に帰省していたから、暇つぶしに迎えに行ったんだよね」
このように財津が答えたので、出身地についての疑問は解消したが、別の疑問が浮かぶ。
「え、同じ部隊だからってわざわざ迎えに行かなくない?もしかして」
疑問に浮かんだことを大賀が質問し、何か勝手に類推しているようである。これに対して財津は質問の意図を理解して返事を返す。
「あ、誤解を招く言い方しましたね。正確にいえば恭平と一緒にドライブがてら宮崎と人吉を回っただけです」
これを聞いて、澤口も大きく首を縦に振り、少しだけ変な雰囲気になったのは解除された。
「黒瀬くんは一緒に行かなかったんですか?」
「いや、一応誘ったんだけど、返事がなかったんだよな。舞人」
目の前にいる同じ部隊の3人のうち2人で行動をしていたようなので、黒瀬のことに疑問を感じた城戸が質問し、それを聞いて財津も黒瀬に声をかける。それを聞いた黒瀬は珍しく少し困ったような表情を浮かべている。これを見て、財津は何かを思いついたらしく、言葉を漏らす。
「お前、まさか・・・」
これを聞いて黒瀬は大きくため息をつく。実はこのお盆の間は、財津が高村 莉糸や結城 香純を実家に迎えに行ったように、実家の福岡に帰っていた米満 唯花を迎えに行っていたのだ。まだ財津以外付き合っていることも知らないが、いつかはバレることなので、今ここでバレるとしたらそれはそれで仕方がないと覚悟を決める。
「こっそり必殺技特訓してたな!」
右手の人差し指をこちらに向けながら財津が思いもよらないことを口にする。これを聞いた黒瀬は再度大きなため息をつき、これに同調する返事をしたので、この場はこの理由で収まることとなった。ちなみに黒瀬は財津に対して今まで結構不純な印象を持っていた。なのでここでも絶対に女性関係の話題を振ってくると思っていたが、帰ってきた返事は非常に純粋な言葉だった。これを狙ってやったのかどうかというのはわからないが、黒瀬の財津評が少し上昇することになったのである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?