1999年5月20日（木）

【魔術師鍛錬場：大宮　弘典・吉山　晋也・松谷　佑紀・佐倉　道雄・中嶋　紗耶佳】
「探索開始まで1ヶ月ぐらいはかかるみたいやな」
「それまでにある程度のことは出来るようになっとかないとね」
　水分を補給しながら大宮　弘典が発した言葉を聞いて、松谷　佑紀が返事を返した。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行なっている。昨日からこの鍛錬場で鍛錬を行うようになった20期の魔術師たちであるが、実際に探索を開始するのは約1ヶ月後だと聞いているので、それまでは協力してみんなで実力を上げていこうと話し合っているのである。20期の魔術師で中心的な存在は大宮であり、何かがあった時にみんなをまとめることと、長官である松島　明日香に報告する役目を引き受けている。だが全体的に20期の魔術師たちは真面目な性格のものが多く、何か問題が起きそうな雰囲気がなさそうなのは確かである。
「ところで今週末飲みに行かないかい？懇親会を兼ねて」
「そうですね。これから長い付き合いになるかもなので、もっと親睦を深めた方が良きかもです」
　今週末の予定について吉山　深夜が口を開き、その内容について中嶋　紗耶佳も賛成の意見を述べる。残る3人、大宮と松谷、佐倉　道雄も特に週末予定はないとのことだったので、今週末は20期魔術師で飲みに行くことが決まったのである。