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2024年6月5日(水)《GB》

《東京ダービーはラムジェット。圧勝でしたな。シンメデージーの4着は頑張ったと思います!》
【熊大第3迷宮:煉獄さーん部隊】
「まだ結構喰らうよな」
「一瞬反応が遅れてる感じがする」
 回復を受けながら村田 慎之介が漏らした言葉を聞いて、前田 梨奈も感想を口にした。ここは熊大第3迷宮。煉獄さーん部隊は本日も地下9階を訪れてボスである道化戦を行っている。先程が2回目の戦闘だったが、やはりまだ道化の雷撃を交わすことができず、それによりある程度のダメージを喰らってしまう。道化の雷撃は一瞬モーションがあるので、そのモーションを見た瞬間に回避行動を取れれば交わせるイメージはあるが、戦闘中にそこだけに集中するわけにもいかないので、反応が一瞬遅れてしまう。その結果、雷撃を回避することが出来てないのである。
「それが出来たらクリアになるかもね」
「まだもうしばらくかかるかなあ」
 息を整えながら口にした渕上 彩菜の言葉を聞いて、前田が正直な感想を口にする。地下9階の探索を始めてもう半年以上経っており、この調子で行けば同じ階層を1年ほど探索することになってしまう。探索開始当初は通常の探索スピードよりもかなり速い深度で進めていたが、ここにきて通常の探索スピードと変わりない進捗となってしまったのである。それはおそらく亜獣との相性の問題であろうが、いい加減にクリアして次の階層に進みたいという気持ちは強い。
「じゃあ、もう1戦行くかね」
 物質回収と回復が終了したのを確認して前田が言葉を漏らす。それを聞いて村田が壁の壁画へと移動した。
「気に入りませんね。私の美学に反します」
 何が気に入らないのかは分からないが、ずっとこの言葉を吐かれ続けているので、いい加減イラついてくるが、気持ちを落ち着かせて道化との戦いに挑む戦士3名であった。

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