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2024年5月16日(木)《GB》

《最近昼間の睡魔が半端ない。油断すると異世界に飛ばされる感覚。睡眠不足なのかなあ。質の問題か》
【熊大第2迷宮:黒髪アッカーマン部隊】
「グオオオオオオオオオオオ」
 今まで激戦を繰り広げていた亜獣が、咆哮の声を上げながら次第に消滅していく。それを目の前で眺めている富田 正継と原田 祐一、大塚 陽菜は大きく息を吐いた後、お互いに見つめ合いサムズアップを交わした。ここは熊大第2迷宮。本日黒髪アッカーマン部隊は地下5階を訪れ、10の部屋へと侵入する。するとそこにはラスボスの亜獣が存在し、激闘の末、勝利を収めたのである。この後は村川 学による物質やアイテムの回収と、前田 綺羅によるダメージの回復が行われる。そしてそれが一通り終了すると、ラスボスを倒した実感がじわじわと湧いてくる。
「これで第2迷宮クリアだね」
「第5迷宮に突入やな」
 魔法連打で少し疲労感を感じている中尾 静馬の声に、富田が力強く返事を返す。10の部屋のラスボスを倒したので、実質的に第2迷宮はクリアしたことになる。一応地下6階の空間も存在するが、そこは別に是が非とも探索をしないといけない場所ではないのである。初めて第2迷宮をクリアした黒髪てへトリオ部隊は結構長い間地下6階で亜獣狩りを行ったが、それはまだ第5迷宮が発見されていなかったからであり、今の状況で第2迷宮に止まる理由は特にないのである。
「じゃあ帰ってクリアを報告しましょうか」
「その後はご飯食べに行こう。お腹すいたー」
 軽く笑顔を浮かべて発した前田の言葉を聞いて、大塚が元気に考えを述べる。この後、部隊全員で長官室を訪れて第2迷宮の探索終了を報告し、その後はいつものように『南食レストラン』に向かい、いつもよりも豪華なランチを食したのである。ちなみに黒髪てへトリオ部隊が第2迷宮を初めてクリアした時は現在と状況が変わっており、今よりも厳しい条件があったと聞いている。だが、現在は10の部屋に存在するラスボスを倒せばクリアとあると規定されているので、そこまで厳しい条件ではなくなっているのである。

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