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1996年7月30日(火)《BN》

【熊大迷宮:>>1さん部隊】
「そろそろクリア出来そうね」
「喰らってるの清吾くんだけだもんねー」
 天才戦を終えた後で飯島 桜が発した言葉を聞いて、宮崎 桃が元気に言葉を返した。ここは熊大迷宮。>>1さん部隊は本日も地下2階の天才の部屋を訪れて天才チャレンジを行っている。先程本日1回目の挑戦を行ったところであり、喰らう人である大島 清吾は流石に攻撃を多数喰らったが、避ける人の飯島と宮崎は天才からの攻撃を喰らわなくなっている。もちろん大島はきちんと喰らっているので、ダメージはほとんどもらっていない。ただ、見た目だとその判断が出来ず、喰らっているという事実しか評価できないのである。
「ほとんどダメージはないですよ」
 一応回復を行った宮崎 藍がフォローを入れて、それを聞いた大島は特に何も言わずに立ち上がった。そして物質回収から戻ってきた森下 翼に視線を向けると、何も言わずにサムズアップをしてきたので、大島は静かにカエルの彫像へと向かった。
「俺は天才だー。覚悟はいいか」
 まだ天才は戦いたい様子である。正直ボスのクリア条件はいまだに解明されてはおらず、思っているよりも早くクリアができたり、明らかに簡単に倒せるようになってもクリアが出来なかったりする。大島は大きくため息を吐き、両側に目をやると、桃と飯島は笑顔で首を縦に振った。この後はいつものように大島が正面で天才の攻撃を喰らいつつ、桃と飯島の攻撃で確実にダメージを与えていく。大島の喰らい方もかなり上手く出来ており、喰らった攻撃のダメージはほぼ通っていない状況になっている。そして程なく天才は力尽きて消滅した。
「物質回収します。流石にクリア出来そうだね」
 戦闘を見学して感じた感想を述べながら森下は物質の回収に向かい、戦士3人は部隊の場所へと移動する。ほとんどダメージは受けてない状況であるが、一応大島は藍に回復を依頼した。この後、回復と物質回収が終わった後で、3回目のカエルの彫像移動を行う。
「俺は天才だー。覚えておけ、ふひゃひゃひゃ」
 ついに天才はこの言葉を残した後で消滅し、これで地下2階はクリアということになったのである。

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