1996年6月18日(火)《BN》
【熊大迷宮:さすがに諸葛瞻は良く守った部隊】
「かなり危なかったよな」
「いや、全く余裕なかったっす」
少し心配そうな表情を浮かべて声をかけてきた二階堂 徹に対して、杉谷 宏一は苦しそうな笑顔を浮かべて返事を返した。ここは熊大迷宮。さすがに諸葛瞻は良く守った部隊は、本日も地下9階にやってきている。先週まではまだボス部屋の扉の罠を解除できなかった管 恵美であるが、本日罠解除に成功し、いよいよ地下9階のボスである筋肉戦となったのである。筋肉の強さについては先人たちから話は聞いており、単体での実力はこれまでに遭遇するどの亜獣よりも数レベル上の強さであると評価されている。もちろん戦闘可能になったからには筋肉戦をはじめるのであるが、冷静に戦えるように気持ちを落ち着けることも重要である。この後、戦士3人で話し合い、二階堂、横山 真弓、杉谷の順番で筋肉戦を行うことを決める。噂通りの強さである筋肉に、二階堂と横山も苦戦するが、何とか致命的なダメージは喰らうことなく、殲滅に成功する。そして杉谷も筋肉と戦ったが、途中で繰り出される筋肉の蹴りに対して全く反応ができず直撃を喰らって吹っ飛ばされてしまった。その後、飛んできた飛び道具は何とか交わし、かなりダメージを受けている状態であったが、持ち前の気合で筋肉を倒すことに成功する。ただ、後方から戦いを眺めていた二階堂と横山からすれば、負けても仕方がないぐらいの状況に写っていたのである。
「これはかなり重傷やな」
回復を施しながら菱沼 周二が言葉を漏らす。先程二階堂と横山も筋肉戦の後に回復を行ったが、ダメージの大きさが比較にならないぐらい大きいのである。
「でもまあ勝てば官軍って言いますからね」
「勝ったから言えるセリフだよね」
まだ回復も途中であるが、少し元気になった杉谷が発した言葉に、高島 奈月が軽く突っ込みを入れるのであった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?