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1999年4月29日(木)

【六文銭:宮崎 桃・飯島 桜・福永 菜月・島田 笠音・前野 諭子・雨宮 英利香】
「私わねー、やっぱりイケメンがいいかなー」
 少し酔った感じの宮崎 桃が元気よく自分の好みを発言する。ここは居酒屋『六文銭』。本日は祝日であるが、明日は普通に平日なので、そこまで満杯というほどではないが、そこそこの客で騒々しい店内である。本日は13期と14期の女性戦士たちが集まって飲み会を開いている。このメンバーにした理由について、まず戦士で絞ったのは、現状の探索状況や、戦士としてのいろいろな情報共有を行いやすくするためであり、女性で絞ったのは、恋愛関係の話をするために他ならない。飲み会は19時に開始し、現在20時を少し過ぎたぐらいである。全員結構アルコールを消費しており、ほろ酔い加減である。先程まで戦士関連の話で盛り上がっていたが、今は恋愛の話へとシフトし、まずは好みの男性のタイプでも言い合おうということになり、先陣を切って宮崎が発言したのである。
「イケメンかー。だったら森下くんとか良いじゃん」
「森下くんかー確かに顔はイケメンなんだよねー」
 タイプを聞いてそれであればと飯島 桜が発言したが、宮崎はイケメンなのは認めたものの、何か思うところがあるようである。
「じゃあ次は私ですかね。タイプかー。難しいんですけど、真面目な人がいいですかね」
 少し考えながら飯島が言葉を発する。飯島はルックスが抜群に良く、雰囲気も社交的なので、良く声をかけられたり告白されたりする。もちろんそれは嬉しいことであるが、自分のことをどれぐらい思ってくれているのかの判断が付かず、なかなかお付き合いには繋がらないのである。飯島のルックスに関しては全員が認めているので、この発言については全員が納得しているようだ。
「私はパスでいいのかな」
 軽く笑顔を浮かべて福永 菜月はこう口にする。福永は現在付き合っている男性がいるので、男性のタイプは言わなくても周知なのである。
「私は強い人がいいです」
 静かな口調で島田 笠音が口を開く。島田はあまり恋愛に興味がなく、戦士として自らを鍛錬することにやりがいを感じているタイプである。であるならば好みは自分よりも強い男性というのも納得できるところだ。
「私は、どうだろう。一緒にて楽しい人がいいかな」
 考えた末に前野 諭子が自分のタイプを発言する。正直特にタイプというのはないのであるが、一緒にいて楽しいに越したことはないだろうとの判断である。
「最後私ですね。私はNo.2みたいな人がいいかな。No.1を献身的に補佐することに生きがいを感じてるんだけど、No.1がいなくなった後は自分がNo.1になって、自分が補佐したNo.1を超える努力をするような人」
「ちょっと良くわからない」
 自分のタイプを熱弁した雨宮 英利香であったが、結果男性像がはっきりと浮かばなかった前野から厳しい突っ込みを受けたのである。

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