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1999年7月3日(土)

【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「どうでも良いことですが、NTTが分割されましたね」
「本当にどうでも良いことやな」
 別に話題に困ったわけでもないが、どうでも良いことを中尾 智史が口にして、それに前田 法重が当然の突っ込みを返した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が美味しい料理とお酒を楽しんでいる。前田と取り巻きメンバーたちもいつものように飲み会を当然のように行っている。最近のニュースでながれているのが7月1日にNTTが NTT東日本とNTT西日本、NTTコミュニケーションズに分割されたという話題だ。もともと国営であった電電公社が1985年に民営化されてできたのが日本電信電話株式会社(NTT)である。それを今回県内通信事業をNTT東日本とNTT西日本、県間通信事業をNTTコミュニケーションズに分割されることになったのだ。世間的にも大きなニュースであることには間違いないが、ここにいるメンバーたちに何か影響があるかといえばそうではない。電話代の支払い先が変更になるぐらいの影響である。
「分割したとは言ってもNTTは強いよな」
「電話はNTT、携帯はdocomoで仕方なしですよね」
 大企業としてのNTTの強さを原田 公司が口にし、それに大塚 仁が携帯電話事情についても合わせて返事を返す。この時代携帯電話はdocomoの占有がかなり高い状況であり、ここにいるメンバーも全員docomoを使用している。特にdocomoに思い入れがあるわけではないのであるが、普通に携帯電話を契約しようと考えた場合に、選択肢としてまずdocomoで良いかどうかから始まり、ここで何かの理由でどうしてもdocomoが嫌だという場合に他の選択肢が出てくるのである。
「周り見ててもほぼdocomo使ってるからね」
 自分の周りの人間が使用している携帯電話を頭に浮かべながら中島 一州が言葉を述べる。結論的にほぼ全員がdocomoを使っているという雰囲気になった時に本田 仁が口を開く。
「でも富田さんの携帯はデジタルツーカーだったはずですよ。あと別にピッチも持ってたはず」
「まじか。でもまあ富田がdocomo使ってるのは確かに似合わんかもしれんな。ピッチと2台持ちってのもらしいといえばらしいか」
 この飲み会に参加していない富田 剛の話題となり、その携帯電話事情について前田はなんとなく納得し、目の前のビールを一気にあけたのであった。

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