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2024年5月9日(木)《GB》

《いつの時代も帰るの早い人居ましたよね。私もどちらかと言えば早かったと思いますが別次元の早さ》
【戦士試験場:財津 彩斗・澤口 恭平・大賀 尚恵・五島 玲美】

「あいつ帰るのはえー」
「気配も残ってないですな」
 本日の最後の模擬戦が終わり、最後の対戦相手と少しだけ会話の時間を持った財津 彩斗は、会話が終わり次第黒瀬 舞人を探したが、すでに姿はなく、急いでロッカーまで来たがすでに帰っているようである。この状況にため息を漏らして思わず財津が発した言葉に、一緒に探していた澤口 恭平も多少呆れた声を出した。ここは戦士試験場。先程まで2次試験の6日目が行われていた。ポイント的に余裕がある財津は、模擬戦もそこまで注力せずに行うことができ、その分できた余裕を他の戦士たちとのコミュニケーションの時間に充てるようにしている。財津は人の良さそうな雰囲気をしており、男性にも女性にも好印象の外見をしているので、冒険者のなかで澤口と親しくなることを拒むようなメンバーはいない。あえて言えば黒瀬が一番自分を嫌っているような感じさえ受けるのだ。本日模擬戦を行った五島 玲美と模擬戦後の休憩時間にいろいろと話をしたが、もっと話す時間が欲しいとのことで、本日ランチを一緒に食べることにしたのである。もともと五島は大賀 尚恵と鍛錬後食事をする予定があったので、それに財津も一緒に行くことにし、そこに黒瀬も連れて行こうと思っていたのである。それで黒瀬を探していたが見つからず、探している途中に澤口に声をかけられたので、一緒に黒瀬を探すことになり、結局黒瀬は見つからなかったのである。そこで財津は澤口に声をかける。
「お前この後ヒマ?」
 予想もしない声かけだったので澤口は一瞬動揺し、考えた後で返事を返す。
「ヒマっちゃーヒマですが」
「じゃあランチ付き合ってよ。五島さんと大賀さんも一緒だから」
 こう言われた澤口は、ヒマと言ってしまった手前断ることもできず、結局一緒にランチを食べることになったのである。

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