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1999年4月12日(月)

【罠解除史鍛錬場:飯島 志保・村田 恋歌・大塚 仁】
「今日は宮本さん来ないんですかね?」
「みたいだね。珍しい」
 鍛錬を一旦中断して休憩に入ったタイミングで村田 恋歌が口にした言葉に、飯島 志保が返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。本日も朝早くから鍛錬場を訪れた飯島と村田であったが、師匠の宮本 紳の姿がみえず、とりあえず今まで2人で鍛錬を行っていたのだ。現在10時を少し過ぎた時間になったが宮本は現れないので、おそらく本日は鍛錬に来ないと言うことであろう。話に聞くところでは宮本は現在彼女はいるものの、県外にいるので平日は彼女と何かをすることはなく、また、特に親しい友人もいないので、いつも大体誰よりも早く罠解除士鍛錬場に訪れて鍛錬を行っているのである。その宮本の姿が見えないので弟子としは少しだけ心配な感情が湧かないこともない。
「まあ今日サボった理由は明日聞いてみましょう」
 こう口にした飯島は飲み物で喉を潤した後、鍛錬場全体を見渡してみる。いつものように各所で鍛錬を行ったり、休憩をしたり、罠解除装置に吹っ飛ばされたりしている。その中で1人で何かをしている大塚 仁の姿が目に入る。何をしているのか気になったのと、可能であれば指導をお願いしたいと思い、飯島は大塚がいる場所へを歩いていき、話しかける。
「大塚さん。今な・・・」
「おやじ!!」
 今何をしているのかを尋ねようとしたのだが、脊髄反射的に大塚から返事が返って来たので、途中で言葉が止まってしまい、結局何も聞けずにすごすごと先ほどの場所まで戻ることとなってしまった。

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