レビューのススメ-作品をより楽しむための処世術-
〇はじめに
こんにちは!こめこめくらぶです。
皆さんは自分が知らない映画・アニメ・小説・漫画などを探すときに何を手掛かりにするでしょうか。CMであったり、友達の口コミであったり色んなきっかけがあります。
その中でも最近ではAmazonなどのレビューを参考にする人も多いのではないでしょうか。Amazonのレビューはアカウントさえ持っていれば誰でも書き込むことができます。それゆえにレビューの質も玉石混交と言われることが多いですが、アニポケに関していうとAmazonが最大手の印象です。
また作品を知る前だけではなく、自分が見ている作品の評価がどのようなものか気になってしまうのが人のサガ。自分が気に入っている作品が貶されているレビューを見れば腹が立ち、自分が気に入らない作品を持ち上げるレビューをみればモヤモヤする…なんて経験を持っている人も多いかもしれません。
現代において、特に商業作品はレビューと切っても切れない関係にあります。それゆえに正しいレビューとの付き合い方を身につけていないと自分の愛するコンテンツが原因で深く傷ついたり、逆に誰かを傷つけてしまうかもしれません。そこで今回はレビューについて省察するとともに、よりよいレビューの読み手・書き手になるためにどうすればよいのかを考えていきます。
断っておきますが私は素人なので「これが正解!」と言い切ることはできません。また「面白い」レビューの書き方を紹介するのが目的ではありません。あくまで自分なりの処世術をしたためているとご承知おきください。(私自身のレビューについては以下にリンクを貼っておくので興味があればご覧ください)
〇レビューとは何か?
そもそもレビューとはなんなのでしょうか。weblio辞書で語義を確認してみましょう。
(https://www.weblio.jp/content/%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC)
ざっくり概要を捉えると「批評・論評」、カジュアルにいえば「評価」するのがレビューということになります。事実を列挙するだけであったり、数字を出すだけ(興行成績、視聴率など)のものはレビューとは呼べません。
大雑把にいえば「このトマトは100円です」はレビューではなく、「このトマトは高いです」がレビューということになります。(もちろん「サイズが小さいので」などの適切な理由づけは必要です)
「批評・論評」あるいは「評価」には主観的な価値観が反映されます。ある作品を鑑賞したときに得られる感情の揺れ動きは一人一人異なるのが自然であり、その差異が他の人が書いたレビューを読む価値となります。
さて、問題はその主観的要素をどのように「読み」「書く」のかということです。好き勝手に自分の好き嫌いを公共の場に書き散らかすのが適切なのか、あるいは他者のレビューをおおっぴらに「間違っている」と放言するのが正しいのか。
互いの主観が混じりあうことで段々と客観的な指標へと向かっていく。これがレビューの目指すところであり健全な批評空間だと思います。コンテンツを楽しむために私たちは何を意識すべきでしょうか。読み手と書き手に分けて考えてみましょう。
〇レビューハンター心得-読み手の処世術-
まずはレビューを読む側のお話。レビューを読む人のことを一般にレビューハンターといいますがハンターの心得を記しておきましょう。
①☆の数に惑わされるな
レビューサイトを見るときに一番最初に目が入るのが☆の数でしょう。私自身アニポケSMの☆の数がどうなのか非常に気になっているファンの一人です。一番わかりやすく作品の評価がみれるので「引き」が強いのはわかります。
ですが、レビューハンターになるのであれば☆の数ではなく☆をつけたレビューの本文を読んでほしい!書き手によって☆のつけ方の基準も違いますし、☆の情報で判断するのは特に未視聴の作品の場合悪手です。なによりもレビューを楽しむという醍醐味を味わえないのはもったいないですからね。
②他者の主観を尊重せよ
レビューはあなたにとって心地よいものばかりではありません。自分の好きな作品をボロクソに言われたら誰だって腹が立ちます。書き手側に問題がある事例も確かにあります。
しかし、あえて言わせていただくとそのレビューをあなたが否定する権利はありません。
作品と同じくレビューを「批評」する権利はあります。ですが「そんな見方は間違っている!」とか「そんなことをいう奴はろくでもない奴だ」のような発言は「批評」ではなく「否定」です。
作品を評価する視点は人それぞれです。そしてどんな作品にもいいところと悪いところがあります。どう評価するのも自由なのです。
口汚いレビューに一言いいたくなる気持ちもわかります。ですがその相手とあなたが有意義な議論する手立てはありません。レビューサイトはSNSではありませんし、少ないスペースで十分な議論はできないでしょう。合わないレビューに出会ったらスルーするのが得策です。(悪質なものは通報機能を使いましょう)
③レビューは絶対的な指標ではないことを肝に銘じよ
先にレビューの目指すところは客観的な指標に向かうことと述べましたが、これはあくまで客観「的」なものであり本当の意味で作品の価値を決定づけるものではありません。
レビューの実態は主観的な評価の集積であり芥川賞のようなコンペでもないため、絶対的に作品の価値が決まるものではありません。特にAmazonレビューなどは匿名で無期限にレビューが投稿され続けるシステムなのでレビューが流動的であることに留意しなくてはいけません。
すなわちレビューでの評価が低いから「駄作」ではないし、レビューが高いから「傑作」ではないということです。全体の傾向をつかむ分には有用かもしれませんが、それをもって作品の価値が決定しないことは意識する必要があります。
④「読み物」としてのレビューを楽しめ!
私はレビューに作品の評価基準を求めるよりも「読み物」として楽しむことをオススメします。自分と違う意見を持っている人のレビューを読むのは作品自体を楽しむのとはまた違ったワクワク感があります。この楽しみ方は作品を視聴した後にするのがよりオススメです。
とはいえ「地雷」を引きたくない人もいるでしょう。そんなときの為に☆があります。自分の評価をあらかじめ定めておいて同じくらいの☆の人のレビューを読む。すると同じくらいの評価なのに自分と違う視点のレビューが読めるのでオススメです。
最初は共感を得るために「同じ」を探しがちだと思いますが、「違い」を楽しめるようになるとより楽しいレビューハンターライフを送れると思います。
〇見習いレビュワーへの道-書き手の処世術-
続いてレビューを書く側の話。上手なレビューを書く方法ではなくレビュワーとして誰かを深く傷つけないための処世術を記します。
①誹謗中傷厳禁
これは大前提です。レビューサイトの特性上どうしても匿名空間でのやりとりになるので人として当然守るべきマナーを忘れてしまうことが多いです。
所謂Fワードなどの汚い言葉を使うのはもちろん、やりがちなのが他のレビュワーの属性を攻撃すること。伏字もいれて書きますが「こ〇おじ」や「チー〇」などは完全に侮蔑語なので軽いノリで使わないようにしましょう。
②評価の道筋が分かるように書く
ただ一言「つまらん」とだけ書いてあるレビュー(ともいえませんが)は誹謗中傷ではありませんが、誰かを傷つけるだけの文言になってしまう恐れがあります。「つまらん」と書くことは自由です。大事なのは「なぜ」つまらないのかを書くこと。
長々と評価点・問題点を列挙するのが面倒な人は具体的な一つのシーンについて語るといいでしょう。シリーズ全体のぼんやりした感想よりも読み手に評価の道筋がわかりやすくなります。
③(可能な限り)作品の魅力を伝えてみよう
繰り返しになりますが作品の評価は個人の自由であり、賞賛も批判もバラバラでしかるべきです。賞賛一辺倒のレビューがあったら逆にレビューサイトの信用度が下がる恐れまであります。
一方であなたがレビューを楽しみたいのであれば作品の魅力を伝えるレビューを最初に書くことをオススメします。レビューを書く過程で作品の魅力や自分の価値観に気づくきっかけとなるでしょう。
往々にして作品の悪い部分は客観的に指摘できることばかりです。起承転結が成立してない、尺が足りない、作画が悪い…、否定的な意見は大体同じ言葉に集約されることが多いです(あくまで傾向の話です)
一方で作品の魅力を語る言葉はレビュワーによって異なります。賞賛の言葉をとっても「完成度が高い」のと「ワクワクさせてくれる」では意味合いが異なりますし、その言葉が一つに集約されることはありません。多様なレビューを創出するためにもまずは魅力を伝えるレビューを書くことをオススメします。
〇総括
私はいつも「語り」と称してポケモンの物語、特に「アニメポケットモンスターサン&ムーン」を題材とした発信活動をしています。なぜこういった活動をしているのかというと、「アニポケSM」という作品をより多くの人に知ってもらい好きになってもらいたいからです。
自分が好きな作品を多くの人に知ってもらうことは普遍的な快楽だと思います(逆もまた然りかもしれませんが)。レビューという行為はコンテンツ受容という個人的な行為を社会的行為に転換することができます。それは確かに楽しい…でも落とし穴もあるのです。
コンテンツの評価は人それぞれ、レビューも人それぞれです。でも自分が思い入れがあるコンテンツであればあるほど許容度が狭くなりがちでトラブルも発生しやすくなります。好きなコンテンツで争う人を見ることほど悲しいことはありません。
なので改めてここにレビュー社会の処世術を残しておきます。少しでもお役に立てれば幸いです。
ここまでご清聴ありがとうございました!
(了)
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