「テラスタルデビュー」総括―アニポケHZ第三章所感―
〇はじめに
2024年4月12日放送「ドキドキ! オレンジアカデミー(46)」よりスタートしたアニポケHZ*第三章『テラスタルデビュー』が同年9月27日放送「輝けテラスタル! リコVSロイ!!(67)」をもって締めくくられました。
一週休みを挟んで、10月11日放送「新たなる空へ! ブレイブアサギ号!!」より第四章『レックウザ ライジング』が始まるようです。
*1.海外タイトル"Pokemon Horizons"の略
改めてになりますが、HZシリーズは章立てで構成されており『リコとロイの旅立ち』『テラパゴスのかがやき』『テラスタルデビュー』、そして『レックウザ ライジング』と20~25話程度のまとまりで区切られています。縦軸の連続性の高いドラマであるHZならではのスタイルです。
こめこめくらぶは章の区切り毎に総括/所感記事をあげています。
第一章『リコとロイの旅立ち』と第二章『テラパゴスのかがやき』ではブレイブアサギ号で大人たちと共に空旅を続けていたリコロイドット。第三章『テラスタルデビュー』では船から降りてスクールライフを送ることになった彼らの冒険の軌跡を振り返っていきましょう。
〇ストーリー展開
『テラスタルデビュー』のストーリーは後述する「テラスタル研修」のカリミュラムに沿って展開されます。【基礎テスト】と【応用テスト】の二つがメインイベントで、間にレポート作成、四天王交流戦、研修生交流バトル大会などのサブイベントが挟まれる座組になっています。
【基礎テスト】編(46~56話)では、テラスタルオーブを貸与されたリコロイドットがジムリーダーと一対一のバトルをしてテラスタルの基礎を学ぶところから始まります。技術面以上に心構えを習得するのに重点が置かれていました。
51~53話では、レポート課題に取り組みましたが実質的には御三家以外のメンバーの強化期間になります。リコのミブリムとロイのカイデンがそれぞれテブリム・タイカイデンへと進化しました。ドットのカヌチャンは加入が遅かった為か目立った強化はありませんでした。
ピンポイントではありますが54話は縦軸に関わる重要回。フリード視点の調査でEXPのボス・ギベオンが狙う「ラクリウム≒永遠のめぐみ」という物質に辿り着きます。物質の具体的な性質は明らかになっていませんが、64話にてスピネルが実戦投入しているのを見るに良からぬ効用を持つようです。
55・56話では一旦アカデミーに帰って、ジムリーダーとタッグを組んで四天王にチャレンジする交流戦に参加します。『テラスタルデビュー』の中間発表のような形で現状の課題を確認するイベント。チリちゃんの荒療治はリコに響きすぎるほど響いた様子。
【応用テスト】編(57~67話)では、二体の手持ちを使いながらテラスタルを使いこなす力量をジムリーダーに示すことが求められます。リコロイドット全員が初戦のバトルで敗北する厳しい展開でした。特にリコは最後の大逆転がなければあわや不合格のままシーズン終了を迎えるところまで追い込まれます。
64~66話ではEXP…というよりスピネルの謀略によって抗争へ。研修の成果もあってサンゴ・オニキスの幹部連中を撃退することには成功しますが、テラパゴスのデータを盗まれるという痛み分けの結果に。なお、メインキャストのアメジオ様はスピネルに罠にかけられて絶賛大ピンチのままシーズンを終えました。
シーズン最終話の67話はリコロイのバトルに丸々費やしました。御三家の中で唯一未進化だったホゲータがアチゲータへと進化し、ロイがリコに初勝利!御三家組が全員中間進化!テラスタル研修も全員無事終了!…ということで有終の美を飾りました。
ストーリー展開の所感としては、全体的にタイトでシビアなシーズンという感想です。「テラスタル研修」というシステムに乗っかって進行していく都合もあったのかもしれませんが、所謂「日常回」は少なかった印象です。
シーズンの目的がテラスタルというバトルシステムの習得にあったので、全体的にバトルの比重が高くなっていたのも特徴的です。特にリコは序章では好戦的ではない性格がプッシュされていたので、急な方向転換に少々驚いた部分もあります。
ただし、これからのEXPとの抗争が激化していく予感も裏で描かれており来るべきときに備えて主人公組がたくましく成長する必要性も同時に感じさせられました。子どもたちだけで冒険するというスタイルも含めてこれまでで最も"成長"を感じるストーリー展開だったと言えるでしょう。
〇テラスタル研修
ここまででも確認したように『テラスタルデビュー』編においては、オレンジアカデミーのプログラムである「テラスタル研修」のシステムにリニアするストーリー展開になっています。改めて「テラスタル研修」のシステムについて振り返ってみましょう。
研修の話に入る前に大本となる「テラスタル」について作中での扱いを確認します。オレンジアカデミーの理事長であるオモダカはテラスタルについて次のように説明します。
テラスタルは自然由来のエネルギーが原因の現象として捉えられており、実際野生のポケモンが発現することもあります。ただし、テラスタルについての詳細な研究はまだ途上の段階のようです。
自然由来のテラスタル現象を人為的に制御する道具が「テラスタルオーブ」です。どうやらオーブの取り扱いはアカデミー及びポケモンリーグによって管理されているようで、管理事業の一環として「テラスタル研修」が行われています。
「テラスタル研修」はテラスタルに必要な「テラスタルオーブ」を持つための免許講習のようなもので、これに合格することでテラスタルの使用が公式に認められます。フリードやEXPのハンベルなどもオーブを所持している為、「テラスタル研修」が唯一のオーブ獲得ルートなのかは定かではありませんが正規の手段という面が強調されているのかもしれません。
「テラスタル研修」はオレンジアカデミーが開講している「バトル学」の一部に組み込まれているカリキュラムです。バトル学担当教員のキハダは「テラスタル研修」について次のように説明します。
「テラスタル研修」で特徴的なのは野良バトルではなくジムリーダーとのバトルで経験を積むカリキュラムになっていること。無免許のトレーナーにテラスタルを勝手に使わせないという意思を感じます。ジムリーダーにとっては通常のジム業務に追加される仕事なので大変だな…という感想。アオキじゃなくてもボヤいてる人いそう笑
【基礎テスト】と【応用テスト】でやることは基本的には変わりませんが、基礎テストでは一対一のバトル、応用テストでは二対二のバトル(ダブルバトルではなく手持ち二体同士のバトル)で実力を試されます。リコロイドットの手持ちは御三家ポケモンがフォーカスされがちなので見せ場を確保する役割もあったのかもしれません。
試験官であるジムリーダーとのバトルが重要なファクターになっていますが、バトルの勝敗の結果を合否の判断材料としないことを最初の基礎テストのときにカエデがリコロイドットに伝えています。
これは基礎テストの時のみに適用されるものではなく、応用テストにも適用されることがアオキの裁定によって明らかにされます。
ただし、合否判断についてはジムリーダーの裁量による部分がかなり大きいらしく、リコの応用テストの担当であるグルーシャはバトルの「結果」を重視して不合格の判断を下しました。
後にグルーシャはこの判定を覆しますが、それについてオモダカもクラベルも特に異議を申し立てることはありません。67話にてリコのバトルを観たオモダカが「ここまでの戦いぶり…グルーシャさんが応用テスト合格と認めたのも分かります」と言ったようにかなりジムリーダーに信頼を置いたシステムのようです。
「テラスタル研修」というシステムについての所感としては、画期的な点ともう少し詰めてほしい点が混在しているというのが正直な感想です。
画期的な点として第一に挙げられるのは、原作SVではネモの口利きでスキップされたテラスタル習得の過程を時間をかけて描いたことです。
SV主人公は偶然お隣さんがチャンピオンなので、序盤から苦労もせずテラスタルを使ってますが本来ならこういう手続きがあったのかも…という誰しもが夢想した空白を埋めるのはアニポケの役割であり強みですね。
また、パルデア地方のロケーションの魅力を引き出す舞台装置として機能したのも評価ポイントです。HZシリーズは全地方舞台で空旅をするという設計上、どうしてもパルデア要素が(相対的に)少なくなるという問題を抱えていました。
「テラスタル研修」で各地のジムを巡ることで大分パルデア要素を補填できたのではないでしょうか?後半のロケーションは雪山に偏っていましたがリコロイドットの冬服を見られたのも嬉しいポイントです。
もう少し詰めてほしかった点としては、合否の判定基準を客観的に分かりやすく整理することが挙げられます。先にも述べたように合否の判定がジムリーダーの裁量に委ねられている為、研修生目線どのジムリーダーに割り当てられるかで合格しやすさが変わるという問題が発生します。
また、ジムリーダー目線でも通常のジム業務と「テラスタル研修」の業務を線引きするのが難しそうな印象を受けました。66話で応用テストの不合格判定を覆した時グルーシャはリコに謝っていますが、そもそも研修の試験官としてはミスキャスティングだったのかもしれません。
ジムリーダーに合否判定を委ねるのはいいとしても、研修生≒視聴者視点でもっと透明性の高い評価基準が提示されると納得しやすかったのではないでしょうか。
〇キャラ描写
『テラスタル研修』では主人公組(リコロイドット)がブレイブアサギ号から降りて冒険している為、主人公組/オレンジアカデミー関係者/ジムリーダー・四天王/エクスプローラーズ(EXP)に分けてざっくりと。
<主人公組>
リコ
HZの第一主人公リコ。前章の『テラパゴスのかがやき』編にてテラパゴスを”ラクア”に届けるという冒険の目標を見つけた少女。テラスタルの力を求める動機は「ニャローテ達と見つけたいところ、見たい景色がある」から(46話より)。
パーティは前章の終盤でニャオハから進化したニャローテと、53話でミブリムから進化したテブリムの二匹。ニャローテはパワーで押していたニャオハ時代に比べるとツタを使ったトリッキーな戦術が得意になっています。一方で引っ込み思案だったミブリムはテブリムに進化したことで一気にパワー系に。ただし、まだ戦力としては未熟な部分もありそうです。
基礎テストの担当ジムリーダーはカエデ、四天王交流戦の相手はチリ、応用テストの担当ジムリーダーはグルーシャ、最後の研修生交流戦の相手はロイ。どれも強力な腕前を持つトレーナーばかりでこれらの相手には全て敗北を喫しています。
EXPの戦闘など実戦の経験値はこれまでの冒険で蓄えられていたものの、試合形式のバトルに適合するのに苦労した印象です。実際EXPのオニキスとの戦闘ではグルーシャの判定を覆させるほどのポテンシャルを魅せたので向き不向きはあるのかもしれません。
「テラスタル研修」全体を通して強い圧に晒されていましたが、終盤のEXPとの抗争やアメジオとの問答を通じて自分のやるべきことを再確認したリコ。次章より再び六英雄と対峙することになるのでここで鍛えられたメンタルの強さに期待したいところです。
ロイ
HZの第二主人公ロイ。「いにしえのモンスターボール」を所持しており、そこから出てきたレックウザを再び自分の手でゲットすることを目的に日々研鑽を積む少年。テラスタルの力を求める動機は「必ずもう一度バトルをしたい強いポケモンがいる」から(46話より)。
手持ちポケモンはシーズン終盤にホゲータから進化したアチゲータ。52話でカイデンから進化したタイカイデン。ホゲータに関してはバトルの中核たる「歌」の掘り下げがメインで、カイデンは未熟な飛行能力を鍛えました。
基礎テストの担当ジムリーダーはコルサ、四天王交流戦の相手はハッサク、応用テストの担当ジムリーダーはライム、最後の研修生交流戦の相手はリコ。タイプや特性の相性などで苦戦を強いられることが多かったですが、全体的に戦績は向上していた印象です。
前章の『テラパゴスのかがやき』編ではレックウザに成す術もなくやられるなど悔しい想いをしてきたロイですが、『テラスタルデビュー』ではこれまでの積み重ねが実ったかのような活躍ぶり。ただし、ライム戦などでは本来楽しむ為のものであった「歌」がバトルの手段になってしまうなど「焦り」が見られる場面もありました。
最後には自分にとっての「歌」とは何かという答えを見つけることでブレイクスルーしたロイ。終盤に進化したアチゲータと共に今後のバトルにおいても更なる進化が期待されます。
ドット
HZの第三主人公のドット。RVのプログラマー兼配信者「ぐるみん」としての顔を持ちながら、ドキドキワクワクする出来事を探し続けるインドア少女。テラスタルの力を求める動機は「この世界のポケモンの謎を全て知りたい」から(46話より)。
パーティは59話でクワッスから進化したウェルカモと前シーズン終盤にゲットしたカヌチャン。リコとロイに比べると手持ちの掘り下げは薄かった印象。
基礎テストの担当ジムリーダーはナンジャモ、四天王交流戦の相手はポピー、応用テストの担当ジムリーダーはアオキ、最後の研修生交流戦の相手はライ。ドットもリコ同様ジムリーダー相手の戦績的には厳しい感じですが、ライ(ロイのドッペルゲンガーのようなキャラ)との勝負を見るに相対的な実力は上がっているものと推察されます。
「テラスタル研修」へ挑戦する上で、最も劇的な環境変化あったのがドット。インドア…というか引きこもりのドットにとって屋外でのキャンプは初めての経験だっただろうし、何より「ぐるみん」としての活動がほぼ封じられているような状況も緊急事態といっていいレベルです。
ドットはバトルそのものを生身で楽しむというマインドを育てるシーズンになった印象です。「ぐるみん」ではなく「ドット」としてどうバトルに向き合うのか。先輩配信者のナンジャモ、普通を信条にするアオキから学んだマインドが今後どのように活かすのかが期待するポイントです。
<オレンジアカデミー関係者>
テラスタル研修を実施するオレンジアカデミーの関係者。ここではジムリーダー・四天王とは分けてカテゴライズします。
SVの特徴ともいえる教師陣は全員分の出番が用意されたわけではありませんでしたが、オモダカ理事長、クラベル校長、キハダ、ジニア、レホールなど主要なメンバーは集まっていました。
個人的には大会企画を積極的に実施するクラベル校長のアグレッシブさとジムリーダーの判断に信頼を寄せるオモダカ理事長の包容力が印象に残りましたね。
また、所謂「ホームウェイ組」もゲストっぽい立ち位置ではありますがリコロイドットと関わりを持ちました。前シーズンから登場しているネモは変わらずロイに注目していて、今シーズンから登場したボタンはアカデミーのエンジニアとして登場。同じSEのドットとは意気投合したようです。
そして終盤に顔だけ見せたペパー。ほとんどリコロイドットには絡みませんでしたが、次章以降に登場するとしたらリコと何かしら絡むのでしょうか?本編時空とアニポケ時空の違いが如実に表れるキャラなのでどう"調理"するのかが気になります。
<ジムリーダー/四天王>
テラスタル研修で試験官を務めるジムリーダーとオモダカ率いるパルデアリーグの四天王。時に暖かく時に厳しく研修生の前に立ちはだかる存在。
『テラスタルデビュー』の目玉ともいえるキャラクター達。<主人公組>の項目でも述べたようにリコロイドットそれぞれに担当がつくシステムになっています。
リコ…カエデ、グルーシャ/チリ
ロイ…コルサ、ライム/ハッサク
ドット…ナンジャモ、アオキ/ポピー
逆に言うと、この三人の担当外だったハイダイ、リップは出番的には不遇な扱いになってしまいますが、一応EXPから派遣されたサンドウィッチ(サンゴ)、オニギリ(オニキス)達の担当となっていたようです。
通常のジム戦とは違って研修バトルは対戦相手を勝敗以外の観点で評価しなければならない都合上、彼らはある意味教師以上に教師らしい役割を果たしていたともいえます。
リコにはバトルの楽しさと厳しさを、ロイには自らのセンスを磨く大切さを、ドットには生身でバトルに向き合うメンタルをそれぞれ教えてくれたジムリーダー達。ゲームでは描けない懐の深さを魅せてくれたのがよかったです。
四天王は出番は限られていましたがジムリーダーよりさらに高みの存在として立ちはだかりました。リコロイドットに与えたメッセージの中身はジムリーダーと共通していますが、より強烈なインパクトを与える役割があったものと想像できます。
<エクスプローラーズ(EXP)>
本作の敵陣営。リコが持つペンダントを追い求めている謎の組織。伝説の冒険者ルシアスと関係しているらしい。ボスはギベオンで側近にハンベル、幹部にアメジオ、スピネル、オニキス、サンゴ、アゲートで構成。
『テラスタルデビュー』で特に目立っていたのは研修生として潜伏したオニギリ(オニキス)とサンドウィッチ(サンゴ)、教師として潜伏したアゲパン(アゲート)。アカデミーに隠されたテラパゴスの情報を盗むなどの目的があったようですが、それはそれとしてそれなりに学園生活を楽しんだ様子。
アカデミーに潜伏しなかった裏方のスピネルはEXPにおける重要な目的である「ラクリウム≒永遠のめぐみ」という物質の情報を手に入れることに成功し、野望を着々と進めている感じがします。
一方で序章ではメイン級の活躍を見せたアメジオは終盤のみの出番になったあげく、スピネルの謀略に嵌められて組織内でのポジションが悪化。次章のキービジュアルにも映っているのでここから逆転するのかもしれません。
EXPはキャラとしては面白いのですが、実はここまで来て素性がほとんどわかっていない状況。でも遅まきながらリコロイドットに名乗りもかましたので、流石に次章では結成秘話が語られるのに期待したいですね。
〇その他(BGM、演出、OP/ED、etc…)
ストーリー展開の部分でも触れたようにタイトでシビアな展開が多い且つバトル重視の展開が多かった為、全体的に硬質な演出が目立っていました。
リコロイドットにはそれぞれに挫折ポイントが用意されており、絶望したり泣いたりする表情が印象に残っています。
OPの「Will」は韓国歌手グループのIVEが担当。正直そこまで馴染みがあるタイプの楽曲ではありませんが、軽やかなテンポでシーズンの雰囲気には合っていたと思います。
EDの「Let me battle」は歌唱:9Lana 作曲:Giga&TeddyLoid が担当。Giga氏は私でも知ってる有名なボカロPですね。ジャンル的にはテクノポップ?ロック?…詳しくなくて申し訳ありませんが、かっこいい楽曲です。バリエーションも豊富で美麗な一枚絵が観られるのも楽しい要素でした。願わくばリコロイに加えてドットの一枚絵も欲しかった…。
〇所感
さて、所感記事が長くなるのはいつものことですがそれにしてもダラダラ書きすぎましたね…。最後に全体の所感を述べて〆ましょう。
『リコとロイの旅立ち』から『テラパゴスのかがやき』に移った時も話の組み立て方が変わったと前回の所感記事で述べましたが、『テラスタルデビュー』においてはそれとは比較にならないほど大きな変化がありました。
シリーズの象徴であった「空」から降りて、子どもたちだけで研修を受ける。文字にしてしまえばそれだけですが、これまでとは全く異なる土台でストーリーが構成されていることには留意すべきです。
子どもだけの冒険といえば、ポケモンの原点である「スタンド・バイ・ミー」。ひと夏の冒険…で片づけるには彼らは波乱万丈すぎるファンタジーの住人ですが、それでも特別な経験であることには違いないでしょう。
「テラスタル研修」という独自のシステムによって原作キャラとリコロイドットが思わぬ化学反応を起こしたのも印象に残りました。通常のジム巡りではきっと観ることができない指導者としてのジムリーダーの顔。
システムに問題がなかったとは言えませんが、そういう不具合も含めて「テラスタル研修」はリコロイドットをたくましく成長させてくれたと思います。少年漫画でいうところの"修行編"に相当するシーズンです。
さて、"修行"とくれば次は本番。半年以上放っておかれた六英雄巡りの冒険がようやく再始動します。『テラスタルデビュー』で成長した彼らが紡ぐ物語はどんな風に色づくのでしょうか。
力をこめてしゃがんだ分だけ高く跳べる。天高く舞い上がる自分に変身する輝きを…To Be Continued
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