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あなたのことば②

さぬが帰ってから考えた。

誰にどうやって伝えればいいんだろう。


そう考えてると母が入ってきた。

母『着替え持ってきた』

瑠衣乃『明日でいいのに』

母『今日、マンションの解約の手続き
したからね。』

瑠衣乃『ありがとう。ごめんね』

母『なに、暗くなってるの?
生きるんでしょ?うちに戻ってきたら
いい。みんないるから。』

瑠衣乃『ありがとう、今日ね』

と、今日、さぬに言われたことを
話した。

母『そうね、母さんは、さぬちゃんの
言ってること分かる。生きるって瑠衣は
言ってるけど、治療はどうなるかわかんない。
自分で伝えるのがいいのよ。』

瑠衣乃『わかんないのよ。どうやったら
みんなに傷つけずに言えるか。』


母『は?みんなを傷つける?何を?
病気なのはあんたなのよ!そのままを
伝えればいい。』


母が帰ってからも考えてしまった。


健には、どうしたら伝えるかな……
そんなことで
別れたのかよって言われるのかな。
元気なさぬと付き合って欲しいと思って
別れたのに。

他の友達には、どうやって。

友達に泣かれてしまったら

拒絶されてしまったら

そんなことが頭がよぎってしまった。

そんなことを考えてるうちに

眠ってしまった。



翌日



食欲がなくて2割しか食べたれなかった。


看護師「瑠衣乃ちゃん、なんかあったの?」

瑠衣乃『特にないです。』

すると、意識がなくなってきた。

すぐに医師による処置が始まった。


母も妹もその処置を見ていた。


瑠衣乃の容態が落ち着くと

母が医師に呼ばれた。



医師『だいぶ、弱ってきてます。
このまま、治療をするのは酷です。
ホスピスをおすすめします。』

母『ホスピスですか?』

医師『これは、本人の希望です。
ホスピスで過ごして家族との時間を
過ごしたいと。』

母『そうなんですね』


瑠衣乃の病室に戻ってきた母。

妹の紗菜は


「どうだった?」

母『お姉ちゃん、ここ希望してるって
治療をこのままするのは酷だって。』

紗菜『頑張ったよね、お姉ちゃん』

母『うん、頑張った』

このまま瑠衣乃のは、昏睡状態になり

ホスピスに移った。

ただ、きぬとたけの手紙があったので

後日、2人に渡した。


2人は、ホスピスの中で
手紙を読んだ。


健へ

手紙を書くのは照れる。

私は、病気です。入院しています。

うそついて、別れてごめんね。

私は、もうすぐ死にます。

だから、幸せを見つけて欲しいの。

健の笑う顔が好き。

さぬのこと、頼んだよ。よろしく。

瑠衣乃


さぬにも同じ内容を書いてました。

瑠衣乃は、これがいいたかった

私が居なくなっても

変わらず元気に仲良くしてほしい。


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