『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』 安宅 和人さん

「仕事でより高い価値を生み出したい」と思い、どこかで聴いたことのあるタイトルだったので読んでみました。

一言で言うと、目から鱗。

以前からある事業における市場調査を経験していたのですが、決まったフォーマットに沿ってデータを集め、過去の案件との比較のような分析風のことをしていましたが、その調査が本質的に何をしていたかがこの本を読んで見えてきました。

「事業が成功する可能性」など、何かの答えを知りたい時、まずはその「問い」自体を精査することに取り掛かること、そしてその「問い」に対して、答えを出す課程を事前に洗い出し、さらに制限時間を設けて、調べすぎないことで「問い」に対しての明確な価値を生み出すことができる、ことがわかりました。実際に、仕事で実践したところ、以前よりもはるかにクリアなアウトプットができるようになったと実感しています。

この本を読む以前は、僕はどちらかと言うと「根性論」に逃げてしまうような仕事の仕方をしていたと思います。データ収集も、調べている最中にあることが気になると、近視眼的にどんどん奥に入り込んでいまい、いつの間にか何を調ていたのかよくわからなくなる、なんてこともしばしばありました。時間も無駄にかけてしまっていました。今はむしろ、全体像をはじめに描き、それに制限時間をあてはめ、確実に問いに対しての答えを出す、ことに集中しています。迷子になることはなくなりました。地図を持って登山している感覚です。

この本を読んだことにより、市場調査に限らず、また仕事に限らず、自分が疑問に思っていることに対して、何らかの答えを導けるという自信がつきました。ただ、まだこの本の全てを理解できている気がしないので、折に触れて読み直したいと思っています。

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