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京言葉

1ヶ月前に辞めたバイトの制服を昨日返しに行った。

「返すのいつでもいいよ」と店長が言ってくれたから

「甘い〜お言葉に〜誘われるあたしはコーカサスオオカブト〜」

と心の中で歌ったのを覚えている。

クリーニングをプレミアムコースで1週間してもらった後、京都の有名なお寺に行き次この制服を着るバイトは僕みたいなポンコツじゃない事を願う意味も込めて除霊。
京都から帰ってきて2週間ダラダラしたのち昨日返しに行った。

バイト先に行くと店長が気まづそうに迎えてくれた。
どうせ来ないなら一生来んなよと言いたそうな顔だった。

「ずいぶん遅かったね。クリーニングした後に京都に行って除霊でもしてきたの?w」

「あ、はい。」

「え?…あぁそうなんや。」

適当な会話をしていると思われた。
図星過ぎて「はい」としか言えなかっただけなのに。

「お茶でも飲む?」
店長が京言葉で「帰ってくれ」と言ってきた。

「あ、はい。」

「え?…あぁじゃあ淹れてくるからそこ座って待っててよ」

事務室から出た店長は西言葉で「なんでやねん」
と呟いていた。標準語で「なんだよ」という意味らしい。

40分後店長がお茶を淹れて帰ってきた。

「結構時間かかるんですね。静岡にお茶っ葉摘みに行ってました?w」

「あ、そやねん。」

「…え?...あぁそうなんですね」

図星だったのか?

「リンゴでも剥こか?」
店長が青森言葉で「帰ってくれ」と言ってきた。

「ジョナゴールドでお願いします」

「え?...あぁじゃあ剥いてくるから椅子座って待っといて」

事務室から出た店長は西言葉で「どないなっとんねん」と呟いていた。標準語で「話と違うじゃないですか!」って意味らしい。

その2秒後店長は剥いたリンゴを持ってきた

「めっちゃ早いですね!外にシザーハンズでもいるんですか?」

「あ、そやねん」

「そういえばそうでしたね。さっき僕も挨拶しました」

世界一意味のない会話をした。

「ミュータントタートルズでも見るか?」
店長が米言葉で「帰ってくれ」と言ってきた。

「スポンジボブでお願いします」

「え?...じゃあDVD持ってくるから椅子座って待ってて」

事務室から出た店長は西言葉で
「そうそうそうカーニーバーガー行ってきま〜すってドアホ!」と呟いていた。
標準語で「はいはいはい。カーニーバーガー行ってきま〜すって何させてるんですか!」って意味らしい。

少し楽しくなってる自分に腹が立ったから
店長の淹れてくれたお茶を、このまま放置すると茶渋が付くであろう程度残して帰った。


次のバイト頑張るぞ!

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