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ロケットスタート

こんにちは。宮田圭田です。

プライドの高いアチャモは自分が失敗した時も

「アッチャァ〜」

なんてとぼけることはなく

「アチャモアチャモ。チャモ?アチャモチャモチャモ。アッチャモ?」

と口数が多くなるんだろうな〜なんて考えている午前中。

「バイト前にも関わらずロケットスタートを切ることが出来たぞ」

そんなことを呟いた僕をよそ目に窓から入って来た風は震えるほど冷たく僕はまた悲しい気持ちになった。

「ロケットスタートを切ったというのに…」
お母さんの声が脳内で響く。なんだか前にも聞いたことがある気がする。

あぁあれだ。
オールスター感謝祭でスタート共に全速力でダッシュした安田大サーカスの団長が中盤くらいで
エリックワイナイナに抜かされた時に言ってたんだ。

「ロケットスタートを切ったというのに…」

お母さんあれはロケットスタートじゃないよ。
特攻だよ。

お母さんは安田大サーカスの団長が本気で勝ちに行ってると思っていたのだ。

スタジオで見ている演者もテレビの前の視聴者もそして安田大サーカスの団長自身も勝ちに行くなんで思っていないのに…

お母さんだけが初速を保ったまま一位でゴールすることを願っていたのだ。

お母さんがアポロ計画に参加していれば8号くらいで人類は月に到着していただろうに…

そして今お母さんは僕がお笑いで食べていけるように。もっと言えば大阪でのたれ死なないように願っている。
電気代が高かったからという理由で黙って僕の口座に4万円振り込むくらい願っている。

生野区ではアポロ18号の発車計画が刻々と進んでいるのだとかいないのだとか。

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