友へ
気付けば出会ってから18年が経ちました。
人と人とを繋ぐものは何でしょうか。
大学時代。
私たちは子どもと大人の境界にいました。
友達になったキッカケも、特別な出来事も覚えていません。
たまたま同じクラスに所属し、同じ教室で講義を受け、食事し、自転車で街を駆け回った。
そんな普通の光景は、今でも鮮明に思い出せます。
あなたはいつも、私が特別なものを持っているとリスペクトしてくれていました。そして、今でも変わらず。
一方で、あなた自身は受験も恋愛も失敗を繰り返し、自分には何もないといつも塞ぎ込んでいました。
それでもコツコツ、毎日、やれることを積み重ねていたと思います。
"なぜこんな自分なんかと友人に?"と尋ねられたこともありました。
私自身、その時は明確な答えは持ち合わせてなかったし、理由なんて正直どうでも良かった。
そして、大学を卒業後
"大きな病気を患った"と連絡をもらいました。
病名を聞いて、"今を逃すともう二度と会えない"と考えてしまった私は仕事を休んですぐに病院へ向かいました。
大病院の病室で再開したあなたは、私の予想に反していつも通りの様子でした。
その姿から辛い治療の最中にあることは想像できましたが、元気だった大学時代よりむしろ頼もしく、強さを感じました。
そして、いつも通り他愛のない話をして、"また会おう"と言って別れました。
そして、あなたは見事に大病を乗り越えた。
その後、小学生の頃からの夢だった難関試験に挑み、何度かの失敗を乗り越え、無事に合格を掴み取った。
今では独立開業して夢を実現しています。
そして今日、素敵な生涯の伴侶と良き日を迎えられました。友人として、その場に立ち会えたことを光栄に思います。
さて、18年という年月が経って改めて考えてみました。
私もあなたの特別なものに惹かれていたんだと気付きました。
真っ直ぐであること、清らかであること。
夢を持ち、挑戦し、何度失敗しても倒れることはなかった。
途方もなく大きな壁が立ちはだかっても乗り越え、夢を叶えられた。その原動力。
あなたが病気を克服したことを知った時、"神様は本当にいたんだ"と思ったけど、病気を乗り越えたのは紛れもなくあなた自身の力です。
さて、私たちを繋いだものは何でしょうか。
キッカケは、私たちの人生の選択の積み重ね、その行先がたまたまクロスした偶然。
そこで、互いに持たないものを感じとったから。
これからも変わらず、真っ直ぐ、清らかに生きていきてください。私も少しでも近づけるように頑張ります。
今日はあなたに、最大限のリスペクトと祝福を贈りたい。
結婚おめでとう。
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