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1台のクルマができるまで

僕は自動車メーカーで勤めている。

事務屋でありながら、製造現場や自動車そのものに触れる機会が多い。
(担当した業務は、設備投資管理と新車切替プロジェクトの進行管理)

今回は、1台の自動車が出来上がるまでの流れを淡々と書いてみた。

素人でもわかってもらえるように書きたかったが、
聞き慣れない用語を多く使ってしまったことは反省している。

せっかくメーカーに勤めいているのであれば、事務屋でも空でこれくらい書ける知識はあっても良いと思う。

もし間違っている部分があれば申し訳ありません。
(コメントやTwitterで指摘してくれるとありがたいです。)

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プレス工程
始まりは、ロール状の鋼板。
(鉄のロールケーキみたいなもの)

ロール状の鋼板はトイレットペーパーのように引き伸ばされ、プレス機によってリズミカルに切断されていく。

部品のサイズや形状に合わせて、サイズや切断方法が選択される。

切断されシート状になった鉄板は、プレス機によって部品形状に加工される。
穴を開け、凹凸をつけ、平面シートが立体的な部品へと変わっていく。

プレス工程で加工されたパネルは溶接工程へと送られる。

溶接工程
溶接工程では、夥しい数のロボットが待ち構えいる。

キビキビと動作するロボット達は、大きなパネルや、それらが接合されたボディを軽々とハンドリングする。

"バチィ"と、時にスパーク(火花)を散らしながらパネル同士を接合する。

接合されたパネルは最終的に車の外形をなすボディとなる。

そして、ボディは塗装工程へと送られる。

塗装工程
パネルが溶接され一体となったボディ。

洗浄、前処理、電着、シーラー、中塗、上塗りという多くの工程を経て、
あなたが選択した色に塗り上げられたボディが出来上がる。

ボデー色(外観)だけでなく、長く使用する上で重要な防錆を目的とした処理もなされている。

もちろん、塗装はお客様の目に付きやすい重要品質のため、隅々までチェックを受けることになる。

組立工程

美しく塗りあげられたボディは、組立工程へと送られる。

自動車はおよそ3万点の部品からできている。

エンジン、サスペンション、アクスル、バンパー、タイヤ、ガラス、シート、ナビ、そしてそれらを締結するボルトやナット。

仕向先やグレード、仕様に応じて準備された多くの部品を、作業者が棚から取って組み付けていく。

ガソリンやオイル、ウォッシャー液といった液体もここで注入される。

そうして1台の自動車となる。
しかし、まだ出荷はできない。1台の車としての品質を検査工程で担保する。

検査工程

外装/内装の組み付け状態や見栄え、ヘッドランプやメーターなどの機能、オイル漏れなど。

人や設備によって多くのチェックを受ける。

そうして、ようやく1台の自動車は完成する。

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