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ハイキュー!!をHAIKYU!!で復習する。ついでに英語も勉強する。


ハイキュー!!の映画公開が待ち遠しい今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私は日々英語版 HAIKYU!! で内容を復習しています。

前回の記事「今日も audible 第14回」でとりあげた表現が HAIKYU!! につなげられると思ったので、前回の記事の補足もかねて書こうと思います。



「今日も audible 第14回」の要約


Bonnie Garmus の Lessons in Chemistry から "Game, set, match." という表現をとりあげました。

本来テニス用語ですが、テニスの場面以外でも使われるようになった表現です。

前回の引用部分も、まったくスポーツとは関係のない職場のカフェテリアの場面でした。

日本語では match が取れて(そしてカンマが無視され)「ゲームセット」になり、スポーツの種類に関係なく、試合が終わることを指して使っている、"Game, set, match." と同様にスポーツとは関係のない場面でも使っている、というのが前回の要約です。(そしてカンマが無視され)の部分は今回追加しておきます。

詳しくはこちらをご覧ください。記事の後半部分です。

「ゲームセット」「マッチポイント」


試合が終わると「ゲームセット」。
あと1点で勝敗が決まるときには「マッチポイント」。

どちらの表現も、スポーツの種類に関係なく、みなさん何気なく使っていると思います。

「ゲームセット」は和製英語であることは前回の記事で確認しました。

私は時折仲間と集まってミニバレーをして遊んでいますが、どちらかのチームがあと1点とれば勝敗が決まるときに、みんな「マッチポイント」とか「マッチ」と言っています。

テニスというのは、前回の記事で取り上げた "Game, set, match." という表現にも現れていますが、game を取って、set を取って、 match に勝利する競技です。

ですから、あと1点で試合の勝敗が決まる場面の point が match point だというのはわかります。

ついでに書くと、あと1点で game が取れるときは game point。

あと1点で set が取れるときは set point。

英英辞典でもそれぞれ説明されています。 set point は取り上げてない辞典もあります。

match point は英和辞典でも項目があります。

たとえばジーニアス英和辞典第5版では match の中に match point が挙げられており、「〘テニスなど〙マッチポイント《決勝の1点》;マッチポイントを争う場面」とあります。

「テニスなど」と「など」で片付けられるので、テニス以外にはどんな競技で使われるのかわかりません。

Web版のOxford English Dictionary(OED)では "Tennis, Squash, etc" とありました。

バレーボールは「など」に含まれるのでしょうか。


game か? match か?


ジーニアス英和辞典第5版では、 game の項目の中に「類語比較」として game と match が取り上げられています。

(1) play の目的語になるスポーツ(baseball, football, tennis など)は game だが,「対抗試合」「・・・戦」の意では match も用いられる: play (a game of) football フットボール[サッカー](の試合)をする/ a football match between X university and Y university フットボール[サッカー]のX大学・Y大学戦.  play の目的語にならないスポーツ(boxing, judo, wrestling など)は match または bout.
(2) テニスでは game の集まりが set, set の集まりが match であるが, 単に「テニスの試合」という場合は game, match のどちらも使える:watch the tennis match [ game ] on TV テレビでテニスの試合を見る. ただし, play a … of ~の連語では match は不可:Let's play a game [ ☓match ] of tennis. テニスの試合をしよう.

ジーニアス英和辞典第5版

誰がこのように調べたのでしょう。お疲れ様です。

上記の説明に従えば、バレーボールは play の目的語になるスポーツですから game だけど、「・・・戦」ということもあるので match も使えることになります。

公益財団法人日本バレーボール協会のサイトにある「はじめてのバレーボール」というページの「「バレーボールの種別」の中に

◆バレーボール6人制競技
1チーム6人でプレーします。1試合5セットマッチで行われます(※)。
( 中略 )
※大会によっては、3セットマッチの場合もあります。

公益財団法人日本バレーボール協会「はじめてのバレーボール」


「5セットマッチ」「3セットマッチ」とあり、「マッチ」が使われています。

国際バレーボール連盟(FIVB)のウェブサイトの、たとえば Basic Volleyball Rules のページではこんな表現がありました。

Matches are played best of five sets. The first four sets are played to 25 points, with the final set being played to 15 points. A team must win a set by two points. There is no ceiling, so a set continues until one of the teams gains a two-point advantage. Previously, all sets were to 15 points, with the first four sets having a ceiling of 17 and the final set requiring at least a two-point winning advantage.

Basic Volleyball Rules, Fédération Internationale de Volleyball (FIVB)

ここでは "Matches are played best of five sets." とあるように、match が1試合の意味で使われているようです。

同サイトでルールに関するファイルをいくつか読みましたが、game と match をどのように使い分けているのかわかりませんでした。

USA Volleyball (USAV)のサイトにあがっていた審判向けファイルの13ページ目に下記の表記を見つけました。

24. Set/Match point: The 2nd referee verbally/visually confirms set or match point with the scorer and the places an index finger against the shoulder corresponding to that team.  For example, if the team to the 2nd referee's left has earned set/match point, the index finger of the right hand is placed against the left shoulder (or vice versa for the team on the right).

2021-2023 USAV Officiating and Scoring Guidelines, p.13

また、同ファイルの35ページでは End of Set (of Match)のハンドシグナルの図と説明がありました。

game と match の使い分けはわかりませんが、「マッチポイント」に関しては match point が優勢な気がしてきました。


HAIKYU!! での「マッチポイント」


さて、HAIKYU!! では「マッチポイント」はどのように表現されているでしょうか。

その前に、あと1点でそのセットを取るというときは SET POINT です。そのままですね。

HAIKYU!! volume 20 白鳥沢戦第4セットの終盤、何度かジュースになりながらあと1点でそのセットを取れるというとき、KARASUNO SET 4 SET POINT と表記されています。「烏野第4セットセットポイント」ですね。

そして勝敗が決する直前。

HAIKYU!! volume 21 白鳥沢戦、15点先取の5セット目、14対15まできて、あと1点で白鳥沢が勝つというときは SHIRATORIZAWA GAME POINT。

そこをしのいでジュースに持ち込み、そのあとは烏野がなんども王手をかけるときには、そのたびに KARASUNO GAME POINTと表記されます。

GAME の勝敗が決まるポイントだから GAME POINT ですね。

ただ前述の通り、国際連盟のサイトにある公式の規則集でも、そもそも game と match をはっきり使い分けているとは思えませんでした。

ハイキュー!!1巻で日向と影山の中学時代の試合中に影山が「マッチポイント」と口に出している場面では、HAIKYU!! でも match point と表記されていました。

最初 HAIKYU!! で GAME POINT という表記に気づいたときは、「なるほど、バレーはテニスと違って、1試合は match ではなく game だから、マッチポイントは GAME POINT か」と納得していたのです。

それなのに、念のため調べだしたら、わけがわからなくなりました。

ここまで調べた私は、この記事の執筆にかけた時間は、いったい何だったのでしょう。疲れました。


HAIKYU!! で覚えるプレー中の用語


気を取り直して。

英語版 HAIKYU!! を読むとバレー用語だけでなく、試合中の声掛け、たとえば

 「さ、こーい!」
 「(気持ちの)切り替え、切り替え!」
 「ドンマイ!」
 「(サーブを打つ選手に)ナイスサーブ!」
 「チャンスボール!」

などなども「こう言えばいいのか」と勉強になります。他の競技でも使えそうです。

覚えた表現はミニバレーの時に脳内で発しています。

ずーっと HAIKYU!! について書こうと思っていたのですが、やっと書けました。


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