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今日もaudible 第10回: Disgrace (Department Q (特捜部Q)Book 2) その1

audible uk の会員ですが、リンクは日本版のaudibleにしました。
audible uk については下記をご参照ください。

今日もaudible: ところで audible uk って何?

Department Q(特捜部Q)シリーズと1作目については今日もaudible 第9回: Department Q (特捜部Q)Book 1 をご参照ください。

それではスタートです。



タイトル確認

今回は Book 2 です。

日本語翻訳版のタイトルは『特捜部Q―キジ殺し―』で、Book 1 の日本語翻訳版同様、日本版 audible では、2023年4月時点で会員聴き放題対象になっているようです。


英語タイトルも Book 1 と同様で、イギリス版とアメリカ版で違いました。

イギリス版 Disgrace

アメリカ版 The Absent One

1作目と違い、audible uk だけではなく、日本版 audible にもアメリカ版は入っていないようです。


軽く読後感想

前回予想した通り、audible UK の数日前に終了した 2 for 1 sale のラインナップに入っていました。

1 credit で購入したのに... 

Sale を待ちきれなかったので仕方ありません。

そこまでしてすぐ手に入れたのに、Book 1 で感じた心躍る感はありません。

最後の最後にほんの少し光を見せてくれるのはBook 1 同じです。

Department Qに新たな人員が配置されて、人間関係は面白くなりました。

ただ、あまりにもむごい。

ミレニアムシリーズもそうですが、悪人度合いスケールがあるとしたら、やつらは針が振り切れるくらいですね。まさに鬼畜の所業。

とにかく残虐だったので、少し気分を落ち着かせるために、John Fowles の The Collector を聴き直しています。ウィリアム・ワイラー監督の映画の原作です。

なぜかまた監禁もの。私は監禁好きなのですか?

朗読は James Wilby です。はい、Mauriceです。この件はまた別の機会に。

それでは今回気になった英語表現を下記にあげます。引用は図書館で借りた The Absent One からです。翻訳者は Book 1 から変わっています。K.E. Semmel です。

give O away ばらす

まずはChapter 4の文章から。

Standing in a cluster, they would mix fresh air with a few quick drags, careful not to get so stoned that their pupils would give them away.

Jussi Adler-Olsen, Translated by K. E. Semmel (2012), The Absent One, Dutton. p.16

登場人物たちの過去のシーンです。全寮制の学校で、校舎のすぐそばで悪いことをしていました。

stoned は麻薬でいっちゃってる状態ですが、あんまりハイになり過ぎると瞳孔の変化で麻薬をやっていることがばれたらまずいから、ほどほどにしておかねばということですね。

to give away の定義は、Oxford English Dictionary (OED) web版では下記のとおりです。

4. Originally U.S. slang. To betray, expose (oneself, another person) to detection or ridicule; to let slip (a secret), esp. through carelessness or stupidity.

Oxford English Dictionary web版


Longman だと give somebody / something away の3番目の定義として下記のように書いてあります。

3 to show where someone is or what they are doing or thinking when they are trying to keep this a secret

ロングマン現代英英辞典 web版


ジーニアス大英和ではこんな感じです。

〈秘密など〉を〔...に〕もらす(divulge),ばらす〔to〕;〈話し方などが〉〈人〉の正体を思わず現す(reveal)

ジーニアス英和大辞典電子辞書版


そして麻薬をやっているときの瞳孔の状態を検索したら、画像が怖くて震えました...


give away を Google 翻訳と DeepL 翻訳はどう処理するか


念のため Google 翻訳と DeepL 翻訳を試してみました。弱点を見つけるとともに、どうすればよりよく利用できるか考えておきたいので。

Book 1 の hold O prisoner 同様、やはり人称代名詞に弱いです。hold O prisoner ではきちんと代名詞をとらえたDeepLもです。

最初はどちらにも前述の引用部分をそのまま入力したのですが、大変楽しい訳がでてきたので、下記のように少し下処理をしました。

 ・ 冒頭の分詞構文を除く
 ・ they を the students に変更する

The students would mix fresh air with a few quick drags, careful not to get so stoned that their pupils would give them away.

上記を訳した産出物は下記のとおりです。

Google 翻訳
生徒たちは、新鮮な空気といくつかの素早いドラッグを混ぜ合わせ、生徒が放り出してしまうほど石にならないように注意しました。

DeepL 翻訳
学生たちは、新鮮な空気を吸いながら、瞳孔が開くほど酔わないように注意しながら、数回に分けて吸引していました。

Google 翻訳の方は、頭の分詞構文部分がついていたときには pupils を「瞳孔」と処理していたのですが、 they を the students としたのがあだになりました。

また、give away のところで、あいだに人称代名詞 them が入ってくるのが、どちらにとっても苦手なようです。

give them away を Google と DeepL が今回の定義で処理できるかみたいので、さらに処理しやすいように、下記の文章にしました。pupils も「生徒」の意味で取られないように、students ではなく boys にしました。

The boys were careful not to get so stoned that their pupils would give them away.

その結果が下記です。

Google 翻訳
少年たちは、生徒が彼らを捨てるほど石にならないように注意しました.


DeepL 翻訳
少年たちは、瞳孔でバレるほど酔わないように気をつけた。

ここまで文章の構造を簡単にすると DeepL では give away の今回の定義で処理してくれました。もしかすると hash などの言葉が入った、この引用部分の前の文章も含めると最初からうまく処理したのかもしれません。

Google には give away のこの定義がまだ学習されていないのかと思い、give away だけ入力してみました。あいだに目的語を入れてみても、やはり今回の定義は出てきませんでした。

stoned も上記と同様、Google 翻訳では学習されていないようです。


他にも取り上げるつもりだった表現があるのですが、翻訳実験を入れたら長くなりすぎたので、いったん終わりにします。

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