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多摩川の生き物とヒト その148 水系 10月の多摩川自然観察会 福生から羽村まで           23/10/22   

予定していた10月15日の観察会は朝からひどい雨になると言うことで中止。その通りになり、雨が激しく降ったが、早く前線が移動したことにより、午後からは晴れてきた。多摩川自然観察会は今まで、雨が降っても、行ってきたが、私も含め、会員の方が高齢になった事もあり、これから、雨がひどい場合は中止とした方が良いかもしれない。今日は15日の振り替え。
参加者4名。福生駅前から、ゆるい坂を下り、玉川上水へ。水がきれいで、泳いでいる魚も見える。近くでは、ヒッツ、ヒッヒとジョウビタキの声。冬の訪れを知る。玉川上水から分岐した熊川分水の水車跡を通る。水は勢いよく落ちている。これなら、また、水車に使えそうだった。

玉川上水の新橋付近。水がきれいで魚群も見える。

多摩川の永田橋のたもとにある、通称、三角地帯に生えているカワラノギクを見る。花は少し、着けていた。そばのフェンスにはスイカズラ、ツルムラサキなどのつる植物が「ここぞ」とばかりに絡まっていた。
隣のケヤキの大木はブロックに囲まれ、窮屈そう。S氏が言っていたが、「植えても、管理が行き届かない。」、いい例だろう。

ケヤキの近くに落ちていたオオスズメバチ。誰が、何のために。
大きくなり、窮屈そうなケヤキ。ブロックも持ち上がっている。
ツルムラサキ。野菜で、逃げ出したか、誰かが蒔いたか。
waiwaiさんの同定により、アカザカズラ。別名オオワカメ。中国から入って来て、雲南百薬とも言われる。ツルムラサキ科。
三角地帯のカワラノギク。地元の方が勝手にまいた。分布域の変化などの悪影響が出てくる。

永田橋から川面を見ると、アオサギがエサ取りに夢中になっていて、水面が体に着くほど、深い所まで入っていた。カイツブリも潜っていて、「右」、「左」と出てくる所を当てる予想をしていた。橋の上から、いつもは見上げているたわわに実ったニワウルシの実が見えた。

一番左で、丘陵に接している山が武甲山。石灰石採掘により、山の形が変わった。
秩父の山々。
永田橋から見た多摩川の水面。
ニワウルシ。別名シンジュ。果実には種が付いていて、風に乗って飛んでいく。

渡り切り、住宅街へ。置物かと思ったら、柴犬の散歩だった、など、面白い事が起きる。小さな用水を通るが、右側はいつの間にか、改修されていた。反対側にはキウイがたわわに実り、「剪定が必要だ。あまり実ると、渋くなる。」との声が。
堤防に出る。排水口に少し水たまりがあり、アキアカネが産卵していた。オスと一緒で、「オスは自分の子だけを残せるから。産卵を手伝っているから。」などなど、オスとメスが一緒になり、産卵する理由を考えていた。
ノギクを見るために、ヤブがあり、入りたくないと思わせるアレチヌスビトハギがたくさん生えていた。仕方なく、そばをそっと歩き、ススキ原の中を進んでいく。途中では、イヌガラシやツルマメなどが咲いていた。

このような水たまりでも、アキアカネは産卵する。
イヌガラシ。春先に咲くはずだが。

棒を渡しただけの不安定な橋がある排水を渡ると、川原に出る。目印を付けたカワラノギクがあり、花を着けていた。D工区に入ると、やっと長い夏を抜け、つぼみや花を着けているものもあるが、花は小さく、花弁の長さもまちまちだった。上流のC工区に入っても、たくさんの個体があるが、花を着けているのは少なかった。
先に花を見に来た高齢の方によると、「むかし、花のじゅうたんみたいで、花を採って来ては飾っていた」そうである。

川原に落ちていたキジの羽。
尾羽があり、キジと判明。ハヤブサなどの猛禽類か、イタチなどか。河原にはワクワクする物が落ちている。
D工区端のカワラノギク。まだ、花を着けていない。
D工区。ちらほら、ノギクが咲いている。
C工区の入り口。ノギクを捜している。

堤防に出る道があったので、ササやオオブタクサなどが生い茂っている中を堤防へ。途中では開いたアケビなどがあった。モズがキチ、キチと鳴き、秋を知る。
堤防のたもとではオトコヨモギがあり、テリハノノイバラが赤い実を着けていた。堤防に上がると、保護区と言う、刈残されている区画があり、アキカラマツやワレモコウなどが生えていた。

チヂミザサ。種が付くが、アレチヌスビトハギやセンダングサとは違い、簡単に取れる。
もう、中身を食べられたアケビ。競争である。
堤防の端にあったオトコヨモギ。葉がヨモギのように細かく切れていない。
堤防の橋にあったカワラサイコ。夏と違い、みずみずしい。
C工区への入り口。トトロみたいに迷路になっていて、どこかへ行きそう。

堤防の先には水田改修の碑や水神宮があった。水田改修は明治40年(1907年)で、今から116年前の物だった。
草花丘陵の下を進む。サクラがあったが、枝が腐っているなど、腐朽した跡が痛々しかった。ヒイラギモクセイが咲いていて、強い甘い香りがした。グラウンドに出て、ここで昼食。

クサギ。実もきれいだが、匂いがある。
カラスウリの虫こぶ。ウリウロコタマバエと言う虫が入り、変形する。
水田改修の碑がある近くにある水神宮。
ヒイラギモクセイ。ヒイラギとギンモクセイの交雑種。

小道に進み、ここでも、チヂミザサや方言が1000ぐらいあると言われるキンミズヒキが待っていた。ヤマノイモを掘ったのか、穴が小道の周りに点在している。マユミがあったが、今年は実が少ない。羽村大橋を過ぎると、コシオガマがあった。美しいピンクの花を着けている、半寄生の植物。さらに進むと、カラスノゴマがあった。実が面白い。

コシオガマ。背丈は小さいが、美しい花。
ノコンギク。
ヨメナ。野菊の仲間は種子の毛やさらに、染色体も調べないといけない。
カラスノゴマ。アオイ科。カラスが食べるゴマに例えた。
スズメノヒエ。

羽村堰下橋を渡ると、離れた中州にカワラノギクらしいがあった。双眼鏡で見て、「イタドリの右、左、どっちなの」と騒ぎながら探すと、白い花が咲いていて、ノギクだった。
橋の下流ではこれから堰の改修に入る。自然はどうなるのか。
眼下では三紀層の地形、通称、牛群地形が露わている。今年の台風以後、出てきた。
禅林寺を過ぎ、寺坂の途中にある馬の水場跡に寄る。奥の方にヒカリモがあった。雨が少なく、寒くなってきたので少ししかなかった。もっと、キラリと輝く、きれいな物と思っていた人には期待外れだったと思う。
大通りを渡り、羽村市観光案内所の横に何とカワラノギクらしきもの。慌てて渡り、確認すると、やはり、カワラノギク。ここにある理由を聞いてみたい。
15日が雨で良かったと思う。15日ならば、ノギクは咲いていなかっただろう。

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