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多摩川の生き物とヒト その221 水系 5月の観察会の下見     24/05/02

関戸から是政までを歩く5月の観察会の下見に出かけた。娘たちに見送られ、出発。間坂(まざか)を下り、根がらみ田んぼへ。田んぼでは植えたチューリップの花がすべて切られていた。踊子草公園ではまだ、オドリコソウが咲いていた。華麗な姿を見せてあげたい。
羽村堰上ではカモ達がいなくなり、少し、寂しい。堤防ではアブラナの代わりにコウゾリナが咲き、ハリエンジュが白い房状の花を着けている。季節が一段と進んだようだ。

チガヤ。イネ科。土手や草原を白く染める。八高線多摩川橋梁、昭島付近で。
バラモンギク。朝に咲くので、なかなか花を見れない。同じバラモンジンは紫色の花。16号多摩川橋梁、昭島付近で。
バラモンギクの綿毛。大きな綿帽子を着ける。
今度は日野橋の架け替え工事。瀬替えの準備をしている。
日野橋の架け替え工事。川辺にこれから護岸を作る。
京王線左岸下流。関戸橋架け替え工事により、流れを変えていたが、元に戻した。

立川市多摩川緑地ではハリエンジュの花の中を潜り抜けて走る。甘い香りが漂う。やっぱり、春は温かく、走りやすい。
京王京王線左岸下流の関戸橋架け替え工事に伴い、流れを変えていたが、元に戻っていた。ただし、中洲は当たり前だが、砂利だらけのままだった。架け替え工事は一時中断していた。
京王線中河原駅へ行き、改札口や駐車場の位置を確認する。捜している途中でホテイアオイが青々と茂る池を見つける。道路を挟んで反対側にはコンクリート枠の水槽みたいのが。一体、何のための施設なのだろうか。関戸橋に出る。

関戸橋架け替え工事。現在、中断中。
資材置き場。どこの箇所で使うのか。
スズメノチャヒキ。カラスムギよりも小さい事から。実から出る芒(のぎ)が長い。
川原や水辺には工事用道路が横切っていて、入れない。
フェンス沿いにはナヨクサフジがちょうどよい場所とばかりに絡まっている。マメ科。
堤防に近い元府中市グラウンドや緑地には石ころだらけの川原みたいな所がある。
地面をはうコマツヨイグサ。昼間でも咲いている。
ノイバラ。バラの原種の一つ。バラ科。
アメリカフウロ。文字通り、北アメリカ原産。
カワラサイコ。堤防の斜面などに生えている。バラ科。
オオキンケイギク。家庭でもまとまって植えると、見ごたえがある。きれいだが、人にあげてはいけない。バラ科。
誰かが外来種のため、抜いたのか。
コゴメバオトギリ。花はこれから。
キショウブ。文字通り、黄色のショウブ。ショウブはサトイモ科。

川辺や河川敷を歩きたかった。オレンジ色のネットの脇から抜けようとした時、サイクリング道路にいた警備員の方から「この先は進めない。ネットの中にも入れない!」との注意が飛ぶ。やむなく、堤防沿いに進むことに変更する。
府中市グラウンド跡では川原みたいな石ころだらけになっている所もあった。このように工事用道路が元公園を横切っているため、川原には行けないので、堤防下を進む。
堤防の斜面には在来のカワラサイココゴメバオトギリが多く、生えている。オオキンケイギクも生えていたが、誰かが抜いた跡があった。外来種イコール悪と言う単純な考えが広がっているよう。少し歩くとコンクリートブロックが置いてある。新しい大丸用水堰が白く見えている。牛首みたいな水勢跡に近づくと、クララがあった。確認のため、葉を食べると、やはり強い苦みがあった。その先には保護区があり、レンリソウが咲いていた。濃い紫色で美しい。一部はブロック製作場にも生えている。保全していきたい。

小段から工事用道路を望む。府中市で。
水門などを覆うブロックは現地で作られる。ブロック製作場
ノヂシャ。近年増えてきた。
ヨーロッパではサラダなどに使う。何と、長崎から広がったという。スイカズラ科。
関戸からの道が小段に上がる。
クララがあった。
葉が苦く、だからクララ。マメ科。
レンリソウ等の保護区。
堤防上から見た保護区。草刈りも少なくしている。
レンリソウ。葉が対生する様子が連理(男女の仲)に通じるとの事。マメ科。
レンリソウの群落。
新しい大丸用水堰。下から取水する。対岸の赤い発電機がある所が取水口。
府中市側に新しくできた護岸。護岸の幅が足りないというのが理由らしい。
護岸の内側の河川敷は固められ、生えていない。
草木が生えていず、荒涼たる新しくできた河川敷。
一部、オオブタクサなどの荒れた所でも生える草があった。
植物などが生えやすくするためなのか、ブロックには穴が開いている。
府中郷土の森のシラカシ。花が咲いている。
新しくできた護岸と昔の護岸とが合わさる。巨岩も残る。

ブロック製作場の隣では護岸工事が終わり、真っ白い護岸が出来ていた。今、流行りの(?)穴開きの護岸だった。草が生えていなくて、荒れている広大な河川敷が出来てしまった。この荒涼とした川原を歩く。巨岩が残り、さほど整備していない護岸があった。ここはどうなるのだろうか。
特に休日なので、府中市バーベキュ広場は近くの公園も含め、多くの人達で一杯で、肉の香りが漂っている。
排水路を渡ってから排水路沿いに歩く。工事で使われた土管は撤去してあったが、工事用道路に敷いた白い砂利はそのまま。大きな倒木付近にあるカワラケツメイは発芽しているのか、不明。白い砂利の工事用道路を進む。左手のサッカー場付近にはメドハギなどが芽生え、良い雰囲気。右手側はさらに石ころだらけの川原になっている。早くもアメリカネナシカズラが生えてきている。

工事中の大丸用水堰撤去工事。
堰き止めて、工事が進む。
堰き止めた所には水が出て来るので、くみ出している。
大丸用水堰から下流を見る。橋は武蔵野線橋梁。
すでに、水を流しやすくするため、川原の一部を削った。
セイヨウカラシナ。アブラナ科。
イヌカキネガラシ。カキネガラシに似ているが、役に立たない。何の役か。    waiwaiさんの指摘により、カキネガラシ。
花は小さい。実が密着しているのでカキネガラシ。アブラナ科
大丸用水と橋梁の間には河原が広がる。
メドハギが点在し、芽生えてきた。
ハハコグサ。管状花のみ。キク科
アメリカネナシカズラ。緑色ではないことから、葉緑素を持たず、栄養分を作れず、他の草から採る寄生植物。
カスマグサ。種の数や花の色などから見分けがつく。マメ科。
是政橋と南武線橋梁の間にあるオギ原。
ここがブロックを作っていたブロック製作場の跡。まだ、元のオギ原にはなっていない。
オギ原の周囲にはここでもナヨクサフジがあった。5月頃、多摩川は紫色に染まる。
堤防近くにはコメツブツメクサのじゅうたんが広がる。マメ科。

武蔵野線と南武線の鉄橋をくぐる。橋脚沿いに堤防沿いへと向かう。ここのオギ原にあったブロック製作場は草が生えてきて、さらにオギが生えてくれば、だんだんと元の植生に戻ってくると思う。この点だけは良かったと思う。
是政橋近くの堤防を上がり、橋下の道路を渡り、是政駅へ。ローカル色が漂っている。
関戸橋周辺は以前から観察会で訪れているが、大きく変わり、驚いた。関戸からの道が再び、川原などへ入れる事を願い、また、自然が再び、元に戻って欲しいし、見つめていきたい。
心地よい風を受けながら帰途に就いた。

帰り、寺坂で見たヒカリモ。ゴミも浮かんでいるが、残っている。



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