多摩川の生き物とヒト その107 水系 多摩川自然観察会 河口 23/6/18
川崎市右岸大師橋から河口へ。歴史のある京急大師線産業道路改め、大師橋駅に集合。参加者6名。暑いことが予想されたが、本当に暑かった。ただ、風が強く、夏みたいにべたべたとした感じではなかったのが幸いだった。
休日でも車の通行量が多い産業道路を横断し、塩田の道へ。お地蔵さんが点在するなと思っていたら、塩田の道だそうだ。大師線の大師橋の次は終点小島新田である。昔はさらに、先まで続いていて塩浜駅を通り、桜本という所まで通じていた。この塩浜駅周囲で江戸時代から1960年ごろまで塩を造っていた。この塩田で造られた塩を府中などへ運んだのが塩田の道だそうだ。この塩田の道を進むと水神社があり、寄る。この神社は河口へ何度でも観察会で来ているが、生き物重視のためか、寄っていない。頭がさらに良くなる知恵の輪をくぐった後、多摩川に出る。
アイアシが茂っていて、めしべだけが咲いていた。以前、多くいたアシハラガニが少なくなり、アシ原などにクズが巻き付いている。アシ原も、特に、護岸近くで乾燥してきているようだ。さらに、東京貨物ターミナルに通じる東京海底トンネル近くではハマゴウがクズに飲み込まれていた。訪れたのが干潮時だったので、干潟が現れていた。チゴガニやコメツキガニがエサを捕るため、はさみを振り回していて、まるで、私たちを歓迎するかの様なダンスをしていた。
暑い中、スカイブリッジをくぐる。干潟が現れ、橋の影響はなさそうだが、まだまだ見守り続けていけないと思う。
ヨドバシカメラの倉庫脇を通る。以前はいすゞ自動車の工場だった事は知る人も少なくなってきていると思う。その昔のいすゞの排水口にはアカテガニもいた。近くにはホームレスと思われる人が住んでいるネズミモチなどでできている森林があるので、アカテガニは森に住むカニだから生息できると思う。
さらに進むと、土手の斜面にハマヒルガオがあり、きれいなピンクの花を咲かせていた。所々にある排水口にハゼはいないかと捜したが、いなかった。
やっと、測量基準点の標識がある河口に着く。砂浜には多くのカニの巣やカキがあった。この付近ではオサガニが見つかった。戻りつつ、行くと、マハゼと思われる魚たちが水たまりの中で逃げどまっていた。
スカイブリッジのたもとで昼食。
殿町の公園ではちょっとした展望台があり、「何とかとサルは高い所を好む」通り、昇った。見ると、昔と比べてネズミ島が小さくなっていた。大師橋工事の時、浚渫したので、その影響なのだろうか。
帰りの道ではランタナが咲き、オリズルランも野外で栽培されていた。青梅などの内陸では冬、室内に入れないと寒さで枯れてしまう。
少し、疲れたので、早めに小島新田駅に着いた。駅をくぐる高架下ではツバメが子育てに追われていた。
コアジサシやシギ達を余り、見かけなかったので、これからどうなっていくのだろうかと考えた一日だった。