パトリシア・A・マキリップ『茨文字の魔法』
私は非常に不勉強な人間なので、残念ながら今までパトリシア・A・マキリップという作家も、『茨文字の魔法』という作品も知らなかった。
本書との出会いは完全なる偶然。いつものように何の目的もなくジュンク堂池袋店をぶらぶらしていたところ、面出しされた本書が目に入り、何となく「良さそう」な雰囲気を感知したので手に取ってみた。
本書のストーリーは、大まかに言うと以下の3つのパートから成っている。
⑴ 幼い頃に親に捨てられ、王立図書館で翻訳者として育てられたネペンテスが、ある日”茨文字