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【米国株】ブル入りしたS&P500の先行き

今週、とうとうS&P500はブルマーケット入りを果たした。
しかし、Fear & Greed IndexはExtreme Greedを示しており、
VIXに至ってはコロナ以降で最低の水準まで下がって来ている
果たして、今の上昇には付いて行くべきか考察してみたいと思う。

S&P500 チャート
Fear & Greed Index
VIX


8日の米株式相場は上昇。
ハイテク銘柄が上げをけん引した。
朝方に発表された先週の新規失業保険申請件数は急増し、
増加幅は市場予想を上回った。

S&P500種株価指数はこの日の上げで、
昨年10月に付けた安値からの上昇率が20%を超えた。
直近安値からの上昇率が20%に達すると、強気相場入りと見なされる

Bloomberg


保有ポジション 6/9時点

(1)MSCI-KOKUSAI・DC
(2)$SQQQ 取得単価$23.12(2023年6月1日買い増し)
(3)$SOXS  取得単価$12.06(2023年6月1日新規買)

今週はポジションの変更はなく、
9割以上がキャッシュの状態に変化はない。


ISM非製造業指数について

ISM非製造業指数

非製造業総合景況指数はほぼ活動停滞の水準に低下
業況指数と新規受注が低下し仕入れ価格指数は3年ぶり低水準

在庫指数が約2年ぶりの高水準となり
在庫景況感の指数は20年4月以来の高水準

回答者は事業環境が安定していると示唆したが景気減速懸念ありと発言

Bloomberg


ISM製造業およびISM非製造業景気指数一覧(2020年12月以降)
ISM製造業およびISM非製造業 PMI

PMIは製造業および非製造業は共に下落傾向が続いている。

ISM製造業およびISM非製造業 新規受注
ISM製造業およびISM非製造業 在庫

非製造業の在庫の反発は目を引く結果となった


ISM製造業およびISM非製造業 新規受注/在庫

新規受注/在庫は
製造業および非製造業ともに5月は反転下落となった

景気後退が直ぐそこまで来ているのかもしれない。



ブル入りしたS&P500の先行き

6/8に晴れてブルマーケット入りを果たしたS&P500だが
Indeed週次求人は減少傾向が続いている。
果たして、この上昇はいつまで続くのだろうか。
($NDXは既に3月末にブルマーケット入り)

Indeed週次求人およびJOLT求人(左軸:Indeed求人、右軸:JOLT求人)
Indeed週次求人および非農業部門雇用者数(左軸:Indeed求人、右軸:非農業部門雇用者数)


6/8に発表された失業保険申請件数は
予想を大きく上回る、26.1万件となり、
2021年10月依頼の水準に増加し
マーケットはFRBの利上げ終了を見込んで上昇を見せた

6/8発表の失業保険申請件数

先週の米新規失業保険申請件数は2021年10月以来の高水準に増加した
増加している企業のレイオフ発表が
実際の雇用削減につながり始めた可能性が示唆される。

申請件数のデータは特に祝日前後には変動が大きくなりやすい
6月3日終了週にはメモリアルデー(戦没者追悼記念日)の祝日があった。より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23万7250件に増加した。

米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は
統計発表後にリポートで、
「メモリアルデーの祝日のために通常より営業日が短かったことを反映している。今回の急増は何らかのシグナルというよりノイズであったとの疑念を抱かせるはずだ」と指摘
「来週発表されるデータを見てから結論を導き出したいと強く思っている」と記した。

Bloomberg
失業保険申請件数



6/8更新、CLEVELAND連銀のInflation Nowcastingでは
PCEは既に3月に発表された
Summary of Economic Projections(SEP)の水準まで下がって来ており

コアPCEは遅効指標のため、低下は時間の問題。
インフレ退治は終盤に来ていると思われるが
6月FOMCで示される最新の見通し(SEP)を確認する必要があるだろう

仮に、3月の見通しよりもハト的な結果の場合には
現在、S&P500の投機的ネットポジションは
記録的なショートに傾いており、
強烈なショートカバーが発生する可能性がある
逆に、よりタカ的であれば$NDXは調整を余儀なくされるだろう。

PCE&コアPCEとFFレートプロット
CPI&コアCPIとFFレートプロット
S&P500 投機的ネットポジション(オレンジ 右軸 符号反転)vs SPY(青 左軸)


6/15のFOMCの声明発表まで明確な下落イベントが無く
現在のネットポジションを考慮すると
強烈なショートスクイーズが発生する可能性に
留意する必要がありそう



来週以降の投資戦略

来週はCPIに加えてFOMCがある。
今後の株価の動向を大きく左右する
経済見通し(SEP)をしっかりと確認してから
投資戦略を決定する必要があるだろう

マーケットは過熱感が出ているが
一度冷静になり、戦略を決める必要があるだろう。


以下、来週以降の注目スケジュール

6/13 21:30 消費者物価指数(CPI)
6/14 21:30 生産者物価指数(PPI)
6/15 3:00    FOMC声明発表
         21:30 小売売上高


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