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ありがとうをいっぱい届ける二千円の使い方

冬の終わりのある日。
私は自転車でいつもの河原を走っていました。
冬鳥が春が来る準備をするのを横目に
いつもと変わらぬ風景を眺めていました。

するとその風景にそこでは目にしたことがない物がヒラヒラしているのが
目に入ってきました。
自転車を横に停めてどこかへ飛んでいきそうなそれを手に取りました。

風でヒラヒラとしていたものの正体は
「千円札」2枚でした。

思わず「あっ!」と声が出ました。
そしてそれと同時に心のなかでどうしたものかという思いも出てきました。

このままここへ戻すのも風でどこかへ飛んでしまいそうだし…。
だからといってこのまま自分のカバンの中に入れるのも何だか心が落ち着かずで…。
近くの交番へ届けることにしました。

交番で河原で拾ったと申し出ると3ヶ月お金の持ち主が現れなかった時は、
拾い主の物になると伝えられその日交番を後にしました。

それから3ヶ月。
河原で拾った二千円は私の物になりました。
警察署で手続きをして私の手元に二千円がやってきました。

二千円…。
ふっと湧いてきた二千円…。
何に使おう…。

何気なくそのまま財布に収めてしまうと生活費に消えてしまいそうだし。
美味しいランチでも食べに行こうか…。
二千円の使い道について気持ちをめぐらせはじめました。

私の大切な人たちにドーナツを届けよう! 
 私の大切な人たちに小さなしあわせを届けよう!」

そんな考えが頭の中に現れました。

ドーナツを受け取った人はうれしい気持ちになり、
ドーナツを食べてもっとうれしい気持ちになれる。

二千円を拾った私は相手のことを想いながらドーナツを手にして
しあわせな気持ちになれる。
渡す時に相手の喜ぶ顔を見て、もっとしあわせな気持ちになれる。

そして、ドーナツを作っている人にも
お金という形でありがとうを届けることが出来る。

そこには「うれしい」「たのしい」そして「ありがとう」が
何度も何度も繰り返えされるのです。
なんてなんてステキなことでしょう。

河原で拾った二千円で
私は10人の大切な人たちにたくさんのしあわせを届けることが出来ました。
私のこころもとってもとってもあたたかくなりました。

ここで河原で二千円落とされた方に
感謝を伝えたいです。

「ありがとうございました。」


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