人間のレベル

以前付き合っていた人と話していた時に、印象に残った言葉がある。

「残念ながら、人間のレベルは存在する」

その人は、自分より20歳近く年上で、人望もあり、多くの人に尊敬されていた。なんとなく、この人の言うことは、間違いないんだろうなと思った。そして、自分はどのくらいのレベルなんだろうとぼんやり思った。

それは、貧富の問題ではない。
ただ、生まれの貧しい人がわかりやすい苦労が多いのは間違いないだろう。その分の力が物質的に満たされている人より強いのは間違いないように思う。

私はコロナで職を失った。
フリーランスのデザイナーであったが、契約がなくなったのだ。そこまでの力量だったのだと見切り、今は違う仕事をしている。所謂ブルーカラーの仕事だ。わかってはいたが、足元を見られることが増えた。以前は女だから、とか若いから、と言う理由が多かったが、今は職業的な部分で下に見られているな、と思う。
接客業でもあるので、いろんな人間を観察できる。レベル付けすること自体が卑しいと思っていたが、今は違いがあることは受け入れている。レベル付けが卑しいと思いながら、私自身いろいろな場面で無意識に他人の人としてのレベルを見ていたのだ。
どんな人が卑しいか。
どんな人が貴いか。
こんなふうにはならないようにしよう、と反面教師にもなる。こうありたい、と手本にもなる。

今の所の結論は、本質を見抜く目があるかないかが大きく関連しているな、ということだ。

お金のあるなしではない。物質的な話でもない。
生きていく上で、どれだけその目を研ぎ澄ましていけるか、それが今、私の命題だ。

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