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45話 入れ替わり

「もみじ、ただいま」
「どうしたの?はるな。私のこと呼び捨てで呼ぶなんて珍しい」
「あ!お姉ちゃん、ただいま」いつもの癖でついもみじと呼んでしまった。
「おかえりなさい」
「腹減ったよ!」
「ねぇ、ホントに今日いつもと様子違うけど何かあったの?」
「何も無いよ!」
「そう?」
「うん!ホントだよ」今度はるなにもみじとどんなこと話してるか聞いておかないとな。
「何も無いならいいんだけど」
「ご飯、出来てる?」
「出来てるわよ!」私は調理済みの料理をいくつかテーブルに持ってきた。
「お姉ちゃんの手料理は美味しいから何度でも食べれるよ」
「はるちゃんはいつも美味しそうに食べるもんね」
「いただきます」私は久しぶりねお姉ちゃんの料理を食べた。
「召し上がれ」
「お姉ちゃん、料理美味しいよ!」
「喜んでもらえて嬉しいよ!」
「ご馳走様でした」
「もう食べ終わったの?」
「美味しすぎてあっという間に食べ終わっちゃったよ」
「お粗末さまでした」
「お風呂沸いてる?」
「沸いてるわよ!久しぶりに一緒に入る?」
「いや、大丈夫だよ!」
「恥ずかしがっちゃって!」
「今度一緒に入ろう」今のままでは入れるわけがない。なぜなら今、私の中にいるのは相澤智樹だからだ。
「分かったわ。今度一緒に入りましょう」
「うん!」お姉ちゃんと一緒に洗い物を終わらせてから私はお風呂に入ることにした。
「はるちゃん気持ち良い?」気持ち良いか聞かれたので元気にうん!と答えるとリビングへ戻っていった。
「あ、ジャンプないな。お姉ちゃん!ジャンプ持ってきて」
「分かった!」
「ありがとう!てか、なんで裸なの!?」
「身体洗ってあげようと思って」
「今度一緒に入ろうっていったじゃん!」
「ねぇ、いつもは一緒に入ろ!って言ってくれるのになんで今日はダメなの?」
「恥ずかしくてさ」
「ねぇ、あなた誰?」
「私は、はるなだよ。といっても信じらんないよね」
「信じるから、お風呂から上がったらホントのことを話して」
「分かったよ」お風呂を上がってから私はお姉ちゃんに全て話した。
狭山先生から貰ったジュースを飲んでから身体がおかしくなったこと。ともきと会ってから入れ替わったことなど今まで起こったことを話した。
「そんなことになってたんだ!つまり今私と話してるのはともき?」
「そうだね」
「だから、一緒にお風呂に入ろうって言っても断り続けたんだね」
「うん。さすがにお風呂には入れないでしょ」
「私の裸、見たくなかったの?」
「見たくなかったって言えば嘘になるけど、そういうことはちゃんとしたいんだよね。それに僕らはまだ学生だし」
「ともきなりに配慮してくれたんだね」
「うん。それに身体ははるなのだからさ、勝手に見るのは申し訳なくて」
「でも、さっきお風呂に入ってたよね」
「目つぶってたからさ」
「なるほど」
「はるなに叩かれたくないし」
「それで、薬の効果はいつ切れるの?」
「朝には切れると思う」
「なら、一緒に寝る?」
「仕方ないね。勝手にはるなの部屋に入る訳にもいかないし」
「私の部屋には入れるの?」
「入れるよ!付き合ってるんだし」
「そっか!ならこっちに来て」
「待って!今行くから」僕はもみじに連れられて彼女の部屋に入り同じベットでしばらく話をしてから眠りについた。




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