44話 禁断の恋
高尾くんと狭山先生が付き合い初めて1週間が経った頃、全校集会の開催が決まった。
「明日は朝から全校集会があります。遅刻しないように!」ホームルームで先生は連絡事項を言い終えると授業を始めた。
「いやぁ、1日終わるのはあっという間だな」そう思いながら帰宅の準備をしていると高尾から話しかけられた。
「相澤くん、昨日はありがとう」
「僕、何かお礼言われるようなことしたかな?」お礼を言われる心当たりが無かったので聞いてみることにした。
「昨日、拍手してくれたでしょ」
「あぁ、そのことか。気にしないでよ」
「それでお礼がしたくてこれを作ってきたんだ!」
「レオノランか!懐かしいな」高尾がくれたのは小さい時に飲んでいたスポーツドリンクのようなものだった。
「知ってるの?」
「うん!好きなんだよね」
「喜んでもらえて良かったよ」高尾と別れて自宅に着いた僕は、いつもより体調が悪いのが分かった。
「あれ、なんかフラフラするな」そうしているとピンポーンとインターホンが鳴った。
「どうしたの?はるな」
「一緒に勉強しようと思ってーーてか具合悪そうだけど大丈夫?」
「ちょっとクラクラするんだよな」
「まぁ、気にしないでご飯にしましょう」
「そうだね」はるなとご飯を作り終わって一休みしようとした時、身体の具合が悪化していることに気が付いた。
「なんか、脈早くなってないか?」
「え、ともきも?」
「はるなもなのか?」
「うん。頭も痛いし眠いかな」
「僕も同じ症状だよ」次の瞬間、僕たちは同時に倒れた。しばらくしてから目が覚めた。
「なぁ、はるな!大丈夫か?」
「ーー」
「はるな?」まだ、視界がもうろうとしているためはっきりとは見えないが目の前に人がいることだけは分かった。
「はるな!大丈夫か?」だんだんと視界が冴えてきたのと同時に自分たちが今どんな状況に置かれているのか理解することが出来た。
「あれ?はるなはどこに行ったんだ?」
「ともきこそどこにいるの?」
「とりあえず、トイレに行ってくるよ」
「私は、そろそろ帰らないといけないから準備しないと」
「ぎゃあ〜〜!」
「ともき、どうしたの!」なんとも不思議なことに目の前には私の身体があった。
「どうやら僕たち、入れ替わったみたいだね」
「そんな、どうしよう」
「なにわともあれお姉ちゃんには内緒にしてね」
「分かってるよ!とりあえず今日のところは僕がもみじの所に行くね」
「その方がいいよね」そしてはるな(僕)はもみじのいる所へと向かった。
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