FaOI幕張2023初日現地感想③【U.S.A.~ラストの言葉】
演技後の余韻
「if…」が終わり、羽生選手がリンクを去った後も、しばらく会場中がザワザワしていたことを思い出します。
羽生選手の演技が終わる度に繰り返される現象。
現地ではよくあることです。
そしてそれは、現地の体験の中で私が好きなことのひとつ。
声にならないため息。
感嘆のざわめき。
隣同士の友人やその場で初めて出会った人と「凄かった」「かっこよかった」「素晴らしかった」と感想を言い合うささやき声。
それら全てが合わさったあのザワザワが、
羽生選手の演技を見た後の熱量が会場に充満するあの余韻が、とても好きです。
私のお隣の方が、満足そうに
「見たかったものが見れた!」と笑顔で呟いていました。
私は夢見心地の中で、お隣の方の言葉に全力で頷きました。
なんだかよく分からないけれど「凄いものを見た」ということだけは分かる、といった初見ならではの興奮状態の中、
凄まじい程の存在感を放っていた羽生選手がいないリンクは、
少し寂しそうに私には見えました。
U.S.A.
そんな観客たちのザワザワもまだ冷めやらぬうちに、
「U・S・A!!!」
とノリのいい音楽が流れだします。
来た。
やっぱり来た、DA PUMPの「U.S.A.」!
DA PUMPがFaOIに出ると聞いた時から、きっとこの曲がオープニングがエンディングに使われると思っていました。
近年のDA PUMPの大ヒット曲。
TVでも一時期たくさん流れていたので、ほとんどの人が知ってる曲なんじゃないかと思います。
寂しいように見えたリンクに再び活気が戻ります。
動くステージにISSAさんとKIMIさんが乗り、生演奏で客席を大いに盛り上げて、
そのステージを取り囲むようにしてスケーター達が存分にスケートを魅せてくれます。
一気にリンクの上がめくるめく華やかな世界へと変化しました。
「一緒に盛り上がろう!」という出演者たちのはじけるような笑顔につられ、
これはもういいよね、ノッちゃっていいよね?と自分に許可を出し、
「U.S.A.!!」
とか
いいねダンス
とか
「カ~モンベイビーアメリカ!!」
とか
声出しコールアンドレスポンス、ノリノリでやってしまいました笑
私の両隣の方々はやってなかった…
初日だったし、様子見の方々はたくさんいたかもしれません。
私は、この日この時の感情に任せて、
せっかくなら楽しまなきゃ損だと思ったので。
Aツアーのチケットはこの日しか持っていないから、様子見で終わらせるという余裕は私にはありませんでした。
結果、
やってよかったです!
出演者の方々とひとつになって盛り上がる高揚感、最高でした。
楽しかったな…!
羽生選手が出てきてからは、その姿をひとつも見逃すまいと目をひん剥いて追いかけながら(相変わらず私こわい)
コールアンドレスポンスもやって、一緒にいいねダンスもやりました。
かっこいい笑顔を振りまいて完璧に踊る羽生選手、本当に素敵でした。
フィナーレ最後の最後、スケーター全員で決めポーズをする時、他のスケーターは片腕を天に突きあげているのに羽生選手だけ全く違うポーズをしているのに気づきました。
その時は分からなかったのですが、どうやらそのポーズはDA PUMPが「U.S.A.」のラストでやる決めポーズだったそうですね。
DA PUMPファンにはおなじみのものなのでしょうか。
そういうところでも、DA PUMPを研究しリスペクトして演じている羽生選手の姿勢がうかがえます。
ジャンプ大会、周回での様子
周回での挨拶が終わった後に始まったジャンプ大会では、跳ぶ順番が来る前に一人奥の方に引っ込んでドリンクを飲む羽生選手の姿が見えました。
そんな何気ない姿も、後に放送されるTVでは映ってない場面かもしれないと思うとつい凝視してしまいます。
相当気合が入っているように見えたけど、残念ながら最初に跳んだジャンプは抜けてしまい。
でもその後のリベンジで四回転をきっちり決めてくる羽生選手、さすがです。
また再び周回が始まったけど、何故か羽生選手一人だけ挨拶して回っているのに、他のスケーターは退場口に向かうというシーンがありました。
「あれ?なんで?」と少し慌てている様子の羽生選手が可愛かったです。
取り残されてしまったのは、初日ならではのハプニングだったのでしょうか。
段取りがうまくいかなかったのか?
いずれにしても、そんな様子が見られたのも貴重だったなと思います。
もう、羽生選手の一挙手一投足、この目で見られればなんでも貴重なんです。
全て覚えていられたら、どんなにいいことか。
相変わらず遅筆なうえにゆっくりnoteを書く時間もなく、幕張に行った日から随分経ってしまったので、細かいところの記憶がだいぶ薄れてしまっています泣
ラストの言葉
他のスケーター達が退場して、ひとり残った羽生選手がマイク無しで「ありがとうございました!」と生声を届けてくれるいつものご挨拶の後。
この日の羽生選手は、音響さんからマイクを受け取っておもむろに語り出しました。
(詳細が毎日新聞の記事にあったので引用します。)
実際はもう少しだけ長くお話しされてました。
余震(「今は余震って言わないかな」と言い方の訂正をしつつ)がまだあると思うから気を付けて帰ってください、といった内容のことも話されてました。
その声音がすごくすごく、優しかったんです。
その優しい声に思わず私は涙ぐみました。
感想①の記事にも書きましたが、
ハビエルの演技中に起こった地震、
私は本当に怖かったんです。
震度は3で、大したことはなかったのかもしれないけれど、
大きな建物の中、たくさんの観客が周りにいて、天井の機材がグラグラと揺れている光景を目撃した中で遭遇した地震は、いつもより恐怖を感じる条件が整っていました。
羽生選手の言うように、一度地震が起こったらまたいつ余震が来るか分からない。
次はもっと強い揺れかもしれない。
そう思うと、私の心配性な性格ゆえのことでしょうけど、内心とても平気ではいられなかったのです。
だけど、その後のハビエルや織田信成さんの演技に救われ、
最後のこの羽生選手の言葉にものすごく安堵して、気が緩んで泣いてしまいそうになりました。
なんて、優しい言葉をかけてくれるのだろう。
「地震、怖かったと思います」
って、
誰よりも羽生選手自身が怖かったんじゃないかと思うのに…。
いつまた余震があるとも分からない状況でリンクの上に立ち演技するのは、勇気が必要だったんじゃないかと思うのに。(もちろん他のスケーター達もです)
私は、先日のnotte stellata公演での彼の言葉を思い返さずにはいられませんでした。
この時の言葉が、再び私の脳裏に強く浮かび上がったのです。
そして、この言葉を発した時、羽生選手は前置きとして「最後の最後の最後まで、気を付けて帰ってください」
と、「最後まで」という言葉を繰り返していたことを思い出しました。
notte stellataでもFaOI幕張初日でも同じく「最後まで気を付けて帰ってください」と言っていたのが印象的でした。
羽生選手が強調する「最後まで」の意味。
それは、健康で怪我なく家に帰り着いてくださいね、という意味なのかなと思いました。
観客それぞれの家路のことまで心配してくれている、と思うと、
しみじみと心があたたかくなるような気がしました。
これまでの羽生選手の言動を見ていたからこそ感じる、彼の優しさが深すぎて。
大震災を経験し、苦しみや痛みをたくさん経験してきた彼が言う
「最後まで気を付けて帰ってください」という言葉は、
より私の中で大きく重く響きました。
そんな彼の優しい言葉を胸に、いつも以上に周りに気をつけながら帰宅した私。
無事に家に辿り着いた時、ホッとしたものです。
これでちゃんと約束を果たせたなと。
羽生選手と観客との間で交わした「最後まで無事に家に帰る」という約束を。
地震というトラブルがありながらも、とても思い出深いものになった私のFaOI幕張の記憶。
常に最新の羽生選手が一番かっこいい、ということ。
そして、彼の人間性が素晴らしいということ。
羽生選手の姿を見る度に、大好きの気持ちが更新されていくことを改めて実感する機会となりました。
FaOI新潟に向けて。
さて、6月16日からは「Bツアー」FaOI新潟がいよいよ開幕しますね。
Aツアーの「if…」がかなりの神プログラムだっただけに、Bツアーの演目が余計に楽しみで仕方ないです。
期待を裏切らないプログラムなのだろうと信じて疑いません。
新潟は一日だけ見に行く予定です。
しかも、もしかしたら私史上一番良い席かもしれない…!
現地にて席に着いてみないと実際のところは分かりませんが。
新潟の朱鷺メッセは席からの見え方があまりよくないという噂を耳にするので。
どうか視界良好な席でありますように。
新潟から帰ってきたら、
またnoteにレポを書きたいなと思っています。
そのために、「最後まで」家に無事に帰ってこれるよう気を付けて、楽しんできたいと思います!
終わります。
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