見出し画像

『天空の城ラピュタ』 【1986年アニメ】【食べ物:ジブリ飯/食パン1枚、目玉焼き1/2】


【感想】2024年9月2日

ジブリの中で一番好きな作品です。
冒険、仲間、戦い、初恋少年心を熱くする要素のすべてが詰まっている。
年を重ねたものは、少年のころを思い出し懐かしむ、そんな作品。

この作品の中で出たジブリ飯、シータとパズーがランチとして食べた食パンと半分ずつに分けた目玉焼き。半分の目玉焼きが少しだけシータの方が大きい、こうゆう繊細な優しさが日本人らしい。
米国ドラマなら、男の子「はい、君の目玉焼き大きい方にしといたよ」女の子「ありがとう」とはっきり言うだろう。

先日テレビ放送があって、NETでたまご焼きクレームがあった。
数々の料理家が、食パンにマヨネーズで囲いを作って卵を割り入れてトースターで焼き、黄身を半熟にするのは間違いとのクレーム。それは、ラピュタでない、クレームに値するごもっともなクレームでした。

つくづくジブリ作品は日本に平和をもたらすバイバルで、子供のころに観るべきアニメの一つだと思います。では、また。

【作品情報】

『天空の城ラピュタ』1986年に公開されたスタジオジブリ初制作のアニメ映画。宮崎駿監督長編アニメ映画第3作目。

概 要

宮崎監督の小学校時代に考えていた架空の作品が骨子となっており、初アニメオリジナルの監督作品。製作は徳間書店。高畑勲の映画『柳川堀割物語』の製作遅延により資金調達に追われた宮崎監督が、徳間書店の鈴木敏夫氏に相談したことから企画が立ち上げられ、この映画をきっかけに設立されたスタジオジブリ制作映画の1作品目。

次第に高年齢向けになっていくアニメに対して、マンガ映画の復活を目標に小学生を対象に古典的な冒険活劇として企画され、それが結果的に大人の鑑賞に耐えうる作品になるというのが宮崎の方針。興行こそ数字的には振るわなかったものの、配給した東映による観客満足度調査は97.7%と非常に高く、物語は幅広い年齢層に支持され、ビデオソフト化による販売は好調。

「ラピュタ」という名称は、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国からとったもの。劇中に空飛ぶ島の物語を空想した人物としてスウィフトの名前も出てくるが、名前の借用以外は『ガリヴァー旅行記』との関連はない。19世紀後半、産業革命期のヨーロッパを元にした架空世界での冒険。

【あらすじ】

プロローグ

ある夜、北のゴンドアの谷に住む少女シータは、ムスカ大佐率いる政府の特務機関に捕らえられ飛行客船に乗せられていた。そこへ、空中海賊ドーラ一家が襲撃を仕掛けてきた。
彼らの目的が自分にあると知ったシータは逃げるために窓の外へのがれ隣の部屋へ移ろうとするが、室内から追いかけてきた海賊の男に驚き足を滑らせ飛行客船から転落する。
気絶したシータが落下する中、石が不思議な光を放ち、彼女の体を宙に支えて落下速度を緩めた。シータは真下にあったスラッグ渓谷の鉱山にゆっくりと落ちていき、鉱山で働く少年パズーに助けられた。

鉱山街

翌朝、目を覚ましたシータが空に浮かぶという伝説の城ラピュタの写真を見ているのを見たパズーは、今は亡きパズーの父が生涯で一度だけラピュタを目撃、写真を撮ったが、詐欺師扱いされた事と、その汚名をそそぐべく、ラピュタへ行く事が夢だと語った。直後にパズーはシータが海賊に追われている事を知り、彼女を守って共に逃げる。海賊と軍に追われた二人は、鉄道の高架線から下の廃坑に落ちるが、石の力により再び救われ、廃坑の底までゆっくり落ちる。
廃坑で会った石に詳しい老人ポムによれば、首飾りの石は昔ラピュタで作られた飛行石の結晶だという。地上に戻った後、実在を確信してラピュタ探索への意欲を燃やすパズーに、シータは暗く沈んだ表情で、彼の家でラピュタの写真を見た時に思い出した、古くから受け継いできたという秘密の名前を打ち明け、姓が「ラピュタ」である事に彼は驚く。

軍事要塞

その直後、二人は特務機関と軍に捕まり、要塞へと連行される。そこでシータは、ムスカから以前ラピュタから落ちてきた壊れたロボット兵を見せられる。彼は彼女に、飛行石はラピュタの王族を守り、いつかラピュタに帰る時の道しるべとして代々受け継いできた物だと言う。
そして、「ラピュタは遠い昔に滅びたが、かつて高度な科学力で天空から世界を支配した恐怖の帝国だった。それが今も空に存在する事が平和の脅威になりうる」というまっとうな理由を語りつつ、パズーの命を盾に脅迫的に協力を迫り、同時に秘密として受け継がれてきたはずの彼女の本名を言い当てる。シータはパズーの身を案じてやむなく協力を承諾する。
牢屋から解放されたパズーと再会したシータはラピュタの探索をあきらめるようにパズーに告げ、失意と共に要塞を去っていくパズーを、涙と共に見送った。

シータの奪還

夜が明け始め、軍のラピュタ探索に同行させられる時が迫り途方に暮れたシータは、昔亡き祖母に教わった「困った時のおまじない」を思い出し唱える。彼女は知らなかったが、実はそのおまじないはラピュタの封印を解く呪文だった。その呪文によりロボット兵が目覚め、シータを救う為に暴れ出し、飛行石は日の昇る東の空に光を放ってラピュタの位置を指し示す。
一方パズーは自宅に戻るも、不在の間に入り込んでいたドーラ一家に捕まってしまう。シータに裏切られたと思いふさぎ込んでいたパズーはドーラに一喝され、シータが突き放すような態度を取った理由を理解し、石を奪う為に要塞へ向かう一家に自分も連れて行くように懇願する。ドーラもその方がシータが言う事を聞くかも知れないと考えて同行を許し、ロボット兵の暴走により混乱する要塞から協力して彼女を救い出す。

飛行船に乗りラピュタへ

石はムスカの手に渡り、彼はロボット兵を破壊した軍と共に先にラピュタに出発する。パズーとシータも一家の飛行船に乗せてもらい、後を追う形でラピュタへと向かう。
夜になり見張りをしているパズーの元にシータが訪れ、ラピュタを巡る複雑な思いを告白する。彼女は祖母に他にも幾つもの「おまじない」を教えられており、その中には「滅びの言葉」というものもあると言う。パズーは不安に駆られるシータを励まし、ラピュタを巡る冒険が終わったら必ず故郷に送り届けると彼女に誓う。
だが、会話の直後に、一家の飛行船は軍に発見され、攻撃を受け雲間に逃れる。ドーラの命令で見張り台を切り離し、雲の上で偵察用のグライダーとして使っていた二人。夜が明け、巨大な低気圧の中心「竜の巣」が迫る中、再び軍に発見され連続攻撃を受ける。攻撃を受けながら、パズーの言葉によりドーラが「竜の巣」に入る事を決めた時、グライダーをつないでいたワイヤーが切れ、飛行船より先に「竜の巣」に飲み込まれてしまう。
嵐の中でパズーは、青白い父の飛行船の幻を目撃し、それに導かれるように、嵐の中心にあるラピュタの上層部に到着し、城の端の地面に落ち気絶する。

天空の城ラピュタ

目覚めた二人は園丁ロボットに、建物の外の水底に沈んだ町や、建物の中の庭園を案内され、恐怖の帝国と呼ばれたラピュタの平和的な一面を見る。
その後、遠くから爆発音を聞いて外に出た二人は、城の中間層で軍に捕まった一家の姿を発見する。パズーは外壁をよじ登って一家を救おうとするが、ムスカの部下が彼を撃とうとした為、シータが体当たりをした後逃げようとするが、ムスカに捕まってしまう。
彼らは彼女を捕らえたまま城の下層部に入る。パズーはドーラの縄を切り、彼女から武器を受け取ってシータの救出に向かう。途中で部下を置き去りにしたムスカは、城の中枢部で彼女に自分もラピュタ王の子孫だと明かす。彼の本当の狙いとは、ラピュタの力を手に入れて世界を支配する事だった。そして彼は飛行石で城を操り軍を皆殺しにする。

滅びの言葉

ムスカの非道な仕打ちに怒り心頭に発したシータは、彼から石を取り返し逃げだす。途中で彼女は、下層部に入り込んでいたパズーを壁の割れ目から見つけ石を渡す。その後、玉座の間に追い詰められ、ムスカに銃で脅されるもシータは毅然とした態度で対峙し、人は土から離れては生きられない存在なのだと喝破する。
その直後、駆け付けてきたパズーはシータに滅びの言葉を教えるようにシータに言い、シータはパズーと共に滅びの言葉「バルス」を唱える。すると飛行石が強い光を発して城は崩壊し、強烈な光に視界を奪われたムスカは瓦礫と共に海へ落ちていく。ラピュタを浮遊させていた巨大な飛行石の結晶は、ラピュタ全体を覆っていた大樹の根に囲まれて、城の上層部と共に更に高空へと飛び去っていった。

エピローグ

パズーとシータはグライダーで城から離れ、フラップターで脱出していたドーラ一家と空で再会して喜び合う。そして二人は一家と別れ、帰途に着くのだった。

【主要人物】

パズー 声 - 田中真弓

スラッグ渓谷の鉱山で働く見習い機械工で、親方であるダッフィーの徒弟。明るく元気で心優しく、正義感と行動力あふれる少年。12歳。天涯孤独で、両親の残した家で一人暮らしをしている。
ラピュタの発見に関して詐欺師の汚名を着せられたまま死んだ父のため、自作のオーニソプター(はばたき飛行機)でラピュタの実在を証明する事を夢見る。
場の空気を読むのがうまく、自分達を守り、味方であるはずの軍がシータへの態度から敵である事をすぐに見抜いた。
シータと出会った事で、海賊や軍から彼女を守りながら、飛行石とラピュタを巡る冒険の旅へと出る。体は頑丈で、親方のゲンコツよりも硬い石頭だと自称する。実際、ムスカの部下に銃で殴られ気絶し、要塞に連行後にムスカがシータに「彼の石頭は私のものより頑丈だったよ」と言っている。
飛行するフラップターの上から、数百メートルは離れている塔の上に居るシータに一瞬で気付くほど目も良い。フラップターに逆さまになってぶら下がり、塔から飛び降りるシータを救出した。
日の出と共にトランペットで『ハトと少年』を演奏し、飼っているハトにエサをやるのが日課だが、ドーラ一家に迎え入れられた際に世話が出来なくなった為、そのハト達を全て逃がしている。
ドーラ一家に仲間入りした際に、父の形見のゴーグルを着けて出発したが、そのゴーグルはラピュタ内部でのムスカの銃撃により失われた。タイガーモス号ではモトロの機関助手として働き、エンジンの修理作業や運転操作のほか、命綱を着けて垂直尾翼を補修し、油を差している。
フラップターの中でシータに後ろから抱きしめられ、胸が当たった時に、初めてシータを異性として意識し始めた。
名の由来は、宮崎自身が学生時代に考えた船乗りの名前から。
小説版のエピローグでは、ラピュタでの一件の後スラッグ渓谷へ帰り、シータとは別々に暮らしているが、文通をして交流を続けている。この手紙の文中では、オーニソプターがもうすぐ完成する事、完成したらゴンドアまで飛んでいく事などが書かれている。また、ラピュタに行った事については誰にも語らなかった事が明らかになっている。本編では描かれなかったが、後に発売された『スタジオジブリ作品関連資料集 I』には、完成したオーニソプターを操縦し、花束を持ってシータの元へやって来たパズーの姿が描かれている。

シータ / リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ 声 - 横沢啓子

パズー同様、天涯孤独の身であり、両親や祖母の残した畑やヤクを飼って北方の山奥にあるゴンドアの谷で生活していた。
ラピュタを狙うムスカ率いる特務機関に拉致され、飛行客船で護送されている所、ドーラ一家の襲撃に遭い、逃げ出そうとして誤って船から転落し、助けられたパズーにかくまわれる事となる。
12歳。先祖伝来の秘宝である、飛行石の結晶の首飾りを提げている。
かつて、天帝としてラピュタ帝国に君臨した王族であり、宗家たるトエル家の末裔で、継承名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」。ラピュタ語でウルは「王」、トエルは「真」を意味し、彼女がラピュタの真の王である事を示しており、リュシータ王女である。
性格はおしとやかで心優しく、自分を助けようとしてくれたロボット兵が破壊された際は、パズーの胸で泣いていた。一方、ムスカを背後からワインボトルで殴り脱出しようとする、ドーラの制止を振り切り、パズーと暴風の中で見張り台に残る、終盤でのムスカとの対面シーンなど、行動的かつ胆力に富んだ一面も持ち合わせている。山育ちでパズーと同様視力も良い。新しい環境への適応力も高く、タイガーモス号での暮らしにもすぐに馴染んでいる他、初めての文明利器に対してもすぐに順応できる。
家事全般が得意。ドーラ一家の仲間になった後は、容貌が可愛らしい事もあり、ドーラの息子や子分達にアイドルのような扱いを受けており、厨房に覗きに来られるほどであるが、年甲斐もなく子供っぽい彼らとも嫌がる事なく打ち解けている。ドーラに厨房に案内された際に覗きに来たのは、シャルル、ルイ、ク、ケ、コの5人。
物語序盤、飛行石を借りたパズーが飛行石の力を発揮できず浮遊することに失敗し、二人で笑いあったシーンで既にパズーを好きになっていた。
名の由来は、宮崎自身が学生時代に書いた人形劇のヒロインであるシータ(ギリシャ文字のθ)から。構想段階では、シータも海賊の娘であり、風の谷のナウシカ同様、シータの命令によってロボット兵がラピュタを破壊するラストシーンの予定だった。
小説版のエピローグでは、ラピュタでの一件の後ゴンドアの谷へ帰り、パズーとは別々に暮らしているが、文通をして交流を続けている。パズーにあてた手紙の中で、ヤクの子が産まれたことを書いている。長い髪を2本の三つ編みおさげにしていたが、おさげ髪は2度ほど引っ張られ、ムスカの銃撃により切断されてショートカットとなる。しかし、小説のエピローグでは本編から半年の月日が流れており、再びおさげを結べるほどに髪の毛が伸びている。

空中海賊 ドーラ 声 - 初井言榮

空中海賊団「ドーラ一家」の女首領にして、飛行船・タイガーモス号の船長。50代。『ロマンアルバム』には60才位という記載もある。頭脳明晰で決断力に富み、3人の息子や子分たち以上の健脚で、無類の食欲と物欲、「女は度胸だ」と豪語し自ら臆することなく危険にも果敢に飛び込む胆力の持ち主。間が抜けている息子や子分たちにしばしば嘆息し、「バカ息子共」、「バカ共」と大声でどなり散らして恐れさせる一方、失意のパズーを一喝した後に受け入れる、ムスカにおさげを切られたシータを抱き締めていたわるなどの度量の深さや優しさも併せ持っている。また、伝声管でパズーとシータの会話を聞いていた際に、まんざらでもない笑みを浮かべたり「見かけよりいい人」と言うパズーの言葉に目を見開いて驚きの表情を見せたりもしている。
タイガーモス号やオートモービル等様々な乗り物やグレネードランチャー (一家が主に使う弾は目つぶし用のマスタード(からし粉)榴弾。等の武器の扱いにも優れている。一家は人殺しをしない。一家が狙うのは金持ちの乗った豪華客船。小説版では「面倒見が良く、アジト近くで子供が産まれたと聞くと、出産祝いに石炭半年分を贈ったりする為、人々の評判もいい」「軍の捜索の手が伸びてくると、村人が軍より早く知らせにくる為、今まで一度も捕まった事がない。それは国中に情報網とアジトを構築した為」という記述がある。また、ムスカと並ぶ暗号解読の天才でもあり、軍が飛行戦艦を誘導する無線暗号を「ANGO」というタイトルの本で瞬時に解読する他、そろばんを「東洋の計算機」と称して素早く使いこなし、航法計算を行っている。
当初は高価と踏んだ飛行石のみを追い求め、石を持つシータを追っていたが(小説版では、幼少期に亡き父から聞かされて、ラピュタと飛行石の伝説を知っており、石を使いラピュタの財宝を手に入れる為、映画同様に軍の無線を聴いて知った、石を持つシータの乗る飛行客船を襲う)、パズーの証言や政府の動きからラピュタ実在を確信し、軍より先にラピュタの財宝を手に入れる事をもくろむ。パズーの話でシータが石を働かせる鍵となる事を知り、シータを救おうとするパズーの決意と覚悟を認めてからは彼に助力し、後に2人をタイガーモス号に受け入れ、二人をラピュタ発見の足がかりとしつつ、良き理解者となる。
パズーからは「おばさん」、シータからは「おば様」と呼ばれている。パズーに対して当初は「船長とお呼び」と言っていたが、後に訂正しなくなっている。
映画本編では、タイガーモス号の私室に掲げられた若い頃の肖像画を見る事が出来る。亡き夫は天才科学者であり、タイガーモス号およびフラップターは夫の形見。小説版では、ドーラ一家はもともと帆船に乗る海賊だったが、数十年前に亡き夫が半ば誘拐同然に連れて来られ、彼が前述の乗り物を開発した後、空中海賊に転業したという。小説版では、別れの際にパズーへ「あたしの夫のように立派な男になるんだよ」と言葉をかけた。なお、半年後のエピローグには、新たな飛行船で軍の給料を奪うなど、その後も一家で空賊稼業に勤しんでいる記述がある。
宮崎駿監督は、自作の中で一番思い入れの深いキャラクターにドーラを挙げている。
キャラクターモデルは宮崎監督の母親との事。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?