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【伝説】「真名野長者伝説」③長者誕生

蓮城法師

二人は毎日黄金を拾い集めた。

あっという間に長者になった。
「真名野長者」と呼ばれ、その名は遠方にまで知れ渡った。
当然、沢山の人々が黄金を手に入れようと集まって来た。しかし、その人々が見つけるものはただの石ころばかりだった。
小五郎が行く場所には黄金があった。

小五郎は、真名野長者となってから、信仰を深め、唐の天台山に黄金三万両もの大金を贈った。
欽明天皇の世、天台山より返礼として、百済の僧の蓮城法師に薬師、観音の尊像を持たせて小五郎のもとに派遣した。
小五郎は蓮城法師を迎え、尊像を安置するための寺を建立した。

それが、蓮城寺、内山観音である。

また、小五郎が商いのため津の国、浪速に行った時、伊予松山の高浜沖で遭難し、観音の霊験によって救われた。

小五郎は、お礼に、一夜のうちに御堂を建てた。これが今の四国霊場八十八ヶ所五十二番札所「太山寺」である。

つづく

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