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男友達づくりに失敗した

男友達というものがいなかったので、前向きに作ってみようとしました。

結論、できませんでした。
挫けた、中座した、諦めた、まあそんな感じです。
友達づくりに失敗という概念が存在すること自体どうなのという気もします。


マッチングアプリで知り合い、3回ご飯に行ったW君。
私の聞かないジャンルの音楽に詳しく、おすすめの曲をプレイリストにして送ってくれました。
漫画もたくさん読んでいて、レンタルしに行きたいからおすすめ教えてと頼むと、楽しい気分ならこれ、スリルがよければこれ、と私の知らない漫画を教えてくれました。

喋るペースはゆっくりで、無理にテンションを上げなくても良いのがラクでした。
ご飯を食べる店へ行くと、事前に予約しておいてくれて、待たされることがなかったです。
率先して飲食代を払ってくれようとしていました。


2回目に奢られてしまったので、3回目に奢っておこうと思い、チェーン店で軽く食事をしました。
この時に確信しましたが、W君と会うのが億劫になっていました
ないんだよなあ、話したいことが。


毎日相当な文章量のLINEの送り合いをしていて、会っても「そういえばLINEでちょっと話したけど…」という話が多かったのですが、私たち漫画と音楽の話しかしてない…

W君は話題を掘り下げたり拡げたりということはするのですが、話題を移したり飛躍させたりということをほとんどしません。
「そういえば」「全然違う話だけど」と転換してくのは常に私で、会話でリードされている感じがしませんでした。
自分の対人スキルを呪います。


あの漫画が面白かった、そのドラマ版も面白かった。あのライブに行ったことがある、最近はあんなところでライブしてるらしい。そんな話の合間に仕事のことや休日のことを話すのですが、楽しくない。
なぜなら私の設定が嘘だからです。
隠し事のない女友達なら本当にあった出来事が話せますが、方向性の定まらない男友達(候補)には現実のことで話せる話題はかなり限られますし、大半は嘘です。嘘を積み重ねるのは得意ですが、3回会うと「まだこの設定引きずってるのか」とうんざりしてきます。


たまにW君が連想ゲーム的に「〇〇で思い出したんだけど…」と話し出すことと言えば、過去の彼女との別れ話が主でした。
「東京に遊びに行った時、〇〇のライブに行った帰りに別れて、その翌日にディズニーランドに行った。地獄みたいだった」
「ゴミの捨て方で喧嘩になって別れた」
それぞれの話は「え~」とか共感を示しておけば笑いのネタが通り過ぎて行ったというだけのことですが、この人別れたエピソードばっかり話すな~と思いました。

仮に私からW君に恋愛感情があれば、やきもきしたり嫉妬させようとしてる?とか駆け引きのような意図を感じたかもしれません。
実際には好意そのものがあるかもあやしいので「自分には元カノが複数いる、恋愛経験アピールなのだろうか…」とぼんやり感じるだけで、かつ「くだらないことで別れてんな…」と思いました。


私がそういう風に自己設定したのが悪いのですが、W君より年下で、あまり異性経験のない純朴な女、というところに優越感を持っていたのかもしれません。

【おさらい】
私・・・34歳、既婚、2児の母、元風俗嬢


私が「これおいしいね」と言って食べると「ちゃんとおいしいって言うの良いね」と言われた時、W君が私を値踏みする側なんだ…と思いました。
好意がある相手なら何も思わなかったかもしれませんが、自分と対等のはずの人間が私を評価しているというのがすごく上から目線に感じました。

W君は穏やかで私に肯定的な態度をとってはいますが、わりと自意識が強くてプライド高い人だと思います。
そのわりに会話は受け身的で持ちネタがあるわけでもなく、私の話を「そういうのってさ、○○○○なんだよね」と総括するだけ(と私は感じた)。

でも男友達というものの限界ってそのあたりなんだと思います。
共感する、関連話をする、(過去の)恋バナ、知り合いたての女性同士の深度で話すことで男女として近付きすぎるのを防いでいる。
当たり障りない話しかしないのです。

「もう女(男)として見られない」という性のボーダーを超えた男女なら、下ネタを言い合うとか現在の彼氏彼女との近況を話すとか、酒の席みたいな話ができるのかもしれません。元カップルとか。

ゼロからイチで「友達になりましょう」の男女の場合、
・友達としてプラトニックな付き合いを続ける
・恋愛感情が生まれる
のどちらかになり、相手の思惑がわからないまま仲良くやる必要があります。

上記の選択肢を提示しておいて何ですが、私はW君という人間に少しも興味を持てなかったという所に至ります。
W君に友達になりたい・友達でいたいという欲求が生まれませんでした。


良い人だから好き、という等式が必ず成り立つわけではありません。
W君は掛け値なしに良い人だと思いますし、気負わず会える人だと思いますが、それは好意がないからです。自分を飾る必要がないから楽なのです。


自分には「友達」の大フォルダに「男」「女」フォルダがあると思っていましたが、実際は「男」という大フォルダがあるだけで、その中に「友達」はないのでした。

男フォルダ

なのにW君は元カノの話ばかりで「恋愛感情はないアピールなのか、恋がしたいアピールなのかわからない」「というか元カノの話ばっかりする男って気持ち悪いな」と思うばかり。
だんだんととにかく今日この場は楽しく納めて、フェードアウトしようという気持ちしか持てなくなっていきました。

3回目のご飯が済んで帰るときに、今日お礼のLINEをしたらもう世間話のLINEを毎日するのはやめよう、用事があるときに(私からはないけど)LINEするだけの関係になろう、と決めました。

W君が読みたいと言っていた漫画の最新刊を貸してあげていましたが、もう会うことがなくて返してもらえなくても、餞別だと思おう、と決めました。

帰ってから早速、「今日はありがとうね!」というLINEが来ていました。
こういう連絡にだるいとしか思わなくなったら、友達ではないでしょう。
簡単に返信すると、「いつも楽しく話してくれてありがとうね。また時間できたら教えてね!」と返ってきました。
あなたが楽しく過ごせたのは、私が楽しませる努力をしたからなんだよ。
友達に相互関係が必要なら、これは友達として不成立でしょう。


そこから連絡をやめてひと月経ちますが、W君からも連絡はありません。
毎日のLINE交換がなくなったことで私がフェードアウトしたい気持ちだと気付いたのでしょう。
行動としては正しいと思いますが、ということは、W君も私に友達以上の行動を要求していたということですよね。友達同士が仲良く居続けるために毎日LINEしないでしょう。

ギヴアンドテイクではないのが友達だと思っているので、私から連絡をやめれば消滅していくのはやっぱり男女だからなのでしょう。
些細なことでも連絡するのに躊躇がいらない人を友達と呼びます。
W君の友達の定義はわかりませんが、友達なら借りた本を返そうとするアクションくらい取ってほしいです。
今さら、あげる気で貸した漫画が惜しくなってしまいました。

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