見出し画像

「えほんかん まるいやさしさ あったかい」

1951年に小松市役所新庁舎が完成して以来、芦城公園近辺には、図書館、
博物館、公会堂など、いわゆる文教施設が多く建設された。
そして2006年には、石川県で初めての絵本専門図書館として、「空とこども絵本館」が開館した。実はこの建物はもともと昭和初期に小松警察署として建設されたもので、登録有形文化財にも指定されているのだそうだ。
警察署という言葉には重厚な響きがあるが、改装後、はじめて絵本館を
眺めたときの第一印象は重厚さとは逆で、「まるい」というものであった。

それから5年が経過して親となり、初めて施設内に足を踏み入れた時の
印象も、同じく「まるい」であった。
だが、その時は、子供と一緒だった故に、その「まるい」の有難みに気づくことができた。
つまり、子供が自由に動いて、転んだりぶつかったりしても、怪我をする
心配がないという、安心感で満たされているのである。

特に、ハイハイをはじめる時期の乳幼児でも、自ら絵本を手に取ることが
出来るスペースが1階の広間にあるのだが、そこは芸術的に「まるい」。
すぐ隣に飲食スペースがあるので、普段育児で大変なご両親はそこで休息
しながら、我が子が夢中になって絵本を選んでいる様子を安心して見ていることが出来る。
しかも、そのエリアは優しい床暖房システムが完備されており、いつでも
「あったかい」のである。
絵本に詳しいスタッフさんとの会話も楽しく、とても居心地が良い。

また小松市ではブックスタート制度を採用している。
これは、絵本を開く楽しいひとときを分かち合う(share books)という
きっかけを、すべての赤ちゃんのもとへ届けようという取り組みであり、
出生届を行うと、後日ブックスタート体験券が支給される。

体験券をもって、我が子と一緒に絵本館へ行くと、スタッフさんが
好きな絵本の読み聞かせをしてくれる。
私たち家族も利用させてもらったが、親子共に安心感に包まれてお話の世界に浸ることが出来る、至福のひとときであった。

ぜひとも、この、「まるくて やさしくて あったかい」素晴らしい場所を
世代が変わっても、いつまでも大切にしてほしい。


こんなに優しい椅子は 見たことがない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?