自作シンセサイザー計画

はじめに

突然だがRadio headのアルバムKid Aを知っているだろうか。最近新装版がでて話題のKid A Mnesiaの元のアルバムである(そして私の大好物)。私はもともと軽音をやっており、普段はベースを弾いているのだか、このKid Aの曲を聴き、「シンセサイザー弾けたらかっこいいな」と思った次第である。Kid A収録曲の中でもとくにエレクトロなサウンドの曲としてはidiotequeがある。

この動画で上手側にいるジョニーが演奏しているのがシンセサイザーである。このシンセサイザーはモジュラーシンセサイザーと呼ばれるものである。

このモジュラーシンセ、何よりお金がかかる。小さいモジュラーを何個も使って音を出すのだが、一つ一つが数万円する上にたくさん必要なのだ。そこで自作すればいいのではないかと考えた。シンセサイザーは抵抗や、コンデンサ、トランジスタ、ICなどで作れるが、これらは数円~数百円で手に入るし、ある程度電子工作ができれば作れるはずである。備忘録を兼ねてこのノートを書くことにした。

シンセの仕組み

シンセサイザーというのが音を鳴らす仕組みについて考える。シンセサイザーの音を作るものはVCO、VCF、EG、VCAの四要素である。なんだかよくわからない略語が出てくると理解に苦しむ。しかしVCとはVoltage Controlledの略で、電圧により制御されるというだけである。つまりVCO、VCF、VCAの役割は電圧で制御される、オシレーター、フィルター、アンプのことである。それぞれの役割は

  • オシレーター:周波数と波形の決まったシグナルを出す。

  • フィルター:シグナルの形を加工する。

  • アンプ:シグナルを増幅する。

であり、これにエンペローブフィルターが加わる。エンペローブフィルターは制御電圧を生成する装置のことであるが、これの説明は最後にする。

オシレーターから順にシグナルを追っていく。オシレーターで生成された波形というのは、フィルターで加工される。ここでフィルターには様々なものがあるが代表的なものはローパスフィルターなどである。これはシグナルの高周波成分をカットするもので、いうなればローパスフィルターを通るとやわらかい音になる。

ここでアンプでは、シンセサイザーと呼ばれる楽器の特徴的な性質が絡む。普通の楽器、例えばピアノやギターなどでは、弾く動作を行うことで音が出る。対してシンセサイザーでは、常に出ているシグナルを普段は止めており、欲しいときだけ引き出すというものである。常に水圧のかかっているじゃ口の口をひねると好きな時に水を出せるみたいなものである。エンペロープジェネレーターを用いる。これはアンプの増幅率を調整するための指令であり、アンプの増幅率を変化させ、音に強弱をつけれる。

これが最も基本的なシンセサイザーの仕組みである。

シンセサイザーの構想

シンセサイザーの企画として有名なものとしてユーラロック企画というものがあるが今回はそれを採用しない。理由としてはいろいろあるが、将来的に完成品のモジュラーシンセを買うことはあまりないと考えたからである。代わりに一台にほぼすべてを組み込んで、持ち運びが簡単なセミモジュラーシンセにしようと考えた。イメージ的にはMS-20のような形のシンセを作るということであるモノシンセにするかポリシンセにするかは現在少し悩ましいところである。とりあえずは一つ一つの試作モジュラーを作り、最終的に一つにまとめるといった形にしようと思う。個人的に6月上旬にちょっとしたイベントがあるのでそれまでには多少なりとも聞かせられる形のものが作りたい。計画としては4月中に基本的なモジュールをすべて作り終え、5月にそのモジュールの複数用意と、組み込みを行う予定である。


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