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あかりをつけましょぼんぼりに

我が家には娘が一人おりまして。去年生まれたばかりなものですから、今年の3月3日が初節句です。

ひな人形は、立春から2月中旬までに飾るのが良いそうです。ちょうど大安ということで、昨日無事に飾り終えました。

我が家のひな人形は、木でできた可愛らしいタイプにしました。昔ながらの、立派なお着物を着たひな人形とも迷いましたが、自分が子供の頃のことを思い出すとどうしても買えなかった。というのも、子供の頃、私はひな人形が怖くて仕方がなかったのです。

実家には7段飾りのたいそう立派な雛飾りがありました。これは父方の祖父母がある日突然送りつけてきたものだそうで。幼い私によく似た顔のコンパクトなひな人形を買おうとしていた母は、大変落ち込んだそうな。当時は、せっかくプレゼントしてもらったのにどうして落ち込んだのか?と疑問でしたが、今結婚して子をうんだから想像できる母の気持ち。義実家から相談もなく突然送られてくる巨大な雛飾り……強烈だなぁ(笑)

そんな立派な雛飾りなものですから、人形も15体いましてね。持ち物を持たせたり髪飾りをつけたりと、細かい装飾も沢山あって、パズルのような感覚で飾ること自体は楽しかったのです。正月が終われば「早くお雛様飾ろう!」と母にせがんだものでした。

問題は、飾ったあと。

和室にたたずむ15体の人形たちが、子供の頃の私にはとにかくとても怖かった。恐ろしくてゆっくりながめるなんてことは決してできなかった。夜は絶対に見られなかったし、和室からカタッなーんて音が聞こえた日には、震え上がってトイレに一人で行けなくなりました。

早く3月3日になってほしい。ひな祭りさえ終われば、片付けてしまっていつもの平和な家が戻ってくるのだから。

そんな気持ちで毎年迎える3月3日のひな祭り。当日は着物を着て写真を撮ったり、ケーキやちらし寿司、大好きな母の手作りザンギ(北海道のからあげのこと)を食べたりと、大はしゃぎで楽しんだのですが、やはり視界にちらとひな人形がうつるたびに、なんとなく憂鬱な気持ちになってしまったのでした。

こういうわけで、娘がうまれて揃えた我が家のひな人形は、木でできたつみ木のようなひな人形。目と口しかない、デフォルメされた可愛いお顔。試しに夜中に見てみましたが、少しも怖くなくて一安心。

綺麗なお着物を着ていないから、大きくなった娘に「友達のお家にあるお雛様のほうが綺麗!」なんて言われないかしらと少々不安ではあるものの。夫婦で選んだひな人形、自信を持って娘に紹介してあげたい。

3月3日には着物(最近は着物ロンパースという可愛い服があるのですね。即買った)でおめかしして、ひな人形の前で写真を撮ってあげよう。同じように毎年撮って、成長を記録できたらいいな。


ーーところで、ひな人形って、「しまうのが遅くなると晩婚になる」とはよく聞きます。

まだまだ0歳のふにゃふにゃの娘を眺めながら、結婚して新しい家族と一緒に暮らす娘の姿を想像すると、早くも寂しくて寂しくて。

ひな人形、わざと遅くしまうかもしれない(笑)

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