システムデザイン講座Day1ふりかえり

システムデザイン講座に参加してみた

富山市が運営しているSkechLabで開催されている「システムデザイン講座」に参加してみることにした。講座そのものの存在は知っていたのだけど、いろいろな事情で過去参加が難しかったのが、今年はいけそうだということで申し込んでみた。
以前、Xデザイン学校に通っていた時、講義が終わるごとに振り返りのnoteを書くことを推奨されていたので、今回も同じようにやってみようと思った。なので、これは受講後の気づきだったり、モヤモヤだったり、自分の内側の諸々を書いておくための超個人的な講義のふりかえり。

「チーム名」のダイナミズム

スマートシティに関連する事業に関わり始めて数年、「誰に、何のために、どういう価値を提供するか」が明確であること、が結局すべての肝であることはわかっていたものの、じゃあそこをどうやって組み立てていくのか(大人なのでマネタイズもつきまとう)を考えてやっているうちに、政治的配慮やら忖度で出来上がったものを見て「このサービスの価値って何なんだ」と思うことがしばしばあった。かといって斬新なアイデアを出そう!とむやみにブレストをしたところで、斬新でないチームから斬新なアイデアが出るわけでもない。結局、斬新なことを考えられるチームというのは、斬新なやり方ができるチームなのだ。
過去の自分の仕事だったり、様々なワークショップからも「いいチームがあって初めていいアウトプットができる」というのは肌感としてあった。NASAはミッション毎にチーム名を作ってポスターも作る、というのを聞いて調べてみたら、大人が本気で楽しんで作ったと思われるポスターがたくさん出てきて納得した。多様性をまとめていくのは「ローコンテクストで美しいビジョン」=多様性があっても「目的に肚落ちできること」それをチーム名にすることが、最短経路になるのだろう。

脳内にこだまする江頭2:50

私はいわゆるSIの業界で働いているので「システム」と名がついた瞬間に、「インプットは何か」「アウトプットは何か」「条件分岐はなにか」「エラー処理をした場合は」の方に頭が行ってしまう。だけれども今回の講義でいうところのシステム=複雑に作用するものの集合体、ということだ
世の中のあらゆるものは「システム」で表現することができる。例に出ていたのは「竹串」だったけれども、物事はなんでも、「概念化してミニマムに表現できるものが本質」と考えると、確かに竹串は「システム」だし「デザイン思考」の面から考えても美しいソリューションだ。
このあたりから頭の中でずーっと「支点・力点・作用点」と黒タイツのエガちゃんが叫んでいたのだが、てこの原理とは違っても「してん:支点というより視点、誰から見て、どんなふうに見えるのか」「力点:それには力が働いていて、どんな背景があるのか」「作用点:結果的に何がおきているのか、どういう行動にでているのか」それ全体が「システム」であり、それを全部ひっくるめて俯瞰で見た設計が「デザイン」ということになるのではないか。

生成AIとBeReal

先生への質問の中で、「最後はセンス」というところで、世界中のトップ層が旅行に走り出したりするのも、結局は人間としての観察眼だったり「いいものをいい」と素直に認められる感覚だったり、そういう素養が肝になるのだろうなというのを再確認するのとともに、気になった言葉があった。「生成AIにできないことは、例えば”今この瞬間あなたが何をしているか”を表現すること」そこでハタと思い出したのがSNSのBeRealだ。私はまごうことなき中年なので、最近の若い人で流行っているらしいSNSという認識ぐらいでしかなかったが、通知がきたら写真をとって”今この瞬間何をしているか”をアップすることで、”飾らない素の日常”を共有するのが人気だとか、新入社員が研修中にいきなり投稿しようとしてOJTが困るとかなんとか、そのぐらいの知識でしかなかったのが、もしかしたら、本質的に「生成AIでは表現できないもの」「あえて作れないもの」に面白みを感じているのかもなぁ、と思った。

グループワークについて

一晩寝て起きて、「網羅的にみる・深堀しない」の原点に返ったときに、富山市の移動=そこにはなんかしらの課題がある、という前提で物事を見過ぎていたなあと思った。(前提を置いている時点で深掘っていた)移動について、市井の人が多大な関心を寄せているとは限らないし、目的があるから移動するのだ。高齢者の通院や買い物不便にしたって、それ以前に”医者に行きたいんじゃなくて薬が切れたから欲しいだけ”とか”慣れてるお店で買い物したい”とか、”生まれてからずっと不便だったから、もう慣れた”だってあるかもしれないのだ。思い込みと自分が見えてる世界を一回捨てること、UXデザインの時も「自分が思ってることは間違ってる」からスタートだったんで、ボトムアップで検証するためにも、まずは網羅的に調査をして事実を見ていくことがまず一歩なんだろうなと。”そもそもどうなんだ”というところを、深堀視点ではなく、こっちはこう、こっちではこう、を並べてつないでいくというところをもう少しやってみたいと思った。


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