明晰夢 〜その見方とその弊害〜

「他人の夢の話はつまらない」などといわれていますが、私個人としては人の夢の話を聞くのは好きだったりします。夢だけに荒唐無稽であり、だからこそ到底通常の思考では至らない展開となって非常に面白く感じます。
   
  明晰夢をご存知でしょうか。夢を見た際にこれは夢だと理解し、自在に操れる状態のことです。
  実は明晰夢は訓練次第で見れるようになります。「誰でも」見れるようになりますといいたいところですが、誰でも見れるようになるかは分かりません。しかし少なくとも私は訓練で明晰夢をみる確率を上げることが出来ました。

  その訓練方法は単純で、ただ眠りにつく瞬間を意識する。これだけです。
  言うは易し、ですが最初はなかなか出来ません。私は説明が不得意ですので感覚的に説明させて頂きたいと思います。

当時の私の寝る時の思考ですが、
「あー眠れそう。おーいけそういけそう。あっ寝る寝る。寝た!明晰夢に入ったやったぜ!」

  といった具合になります。ご理解頂けなかったと思いますが先に進みます。ここからもまた色々と問題点があります。
  さて、人は明晰夢で一体何をしようとするでしょうか。私も大人の男ですので、ご理解いただけると思いますが…そうですね、

空を自由に飛びたいな!

  となりますね。これは万人に共通するかと思います。しかし明晰夢というか、夢を見ているということは眠りが浅いということです。この場ではレム睡眠だのといった説明は省きますが、ちょっとした刺激で容易に目が覚めてしまう状態になっています。
  ですので、さっき述べたように、「明晰夢入ったやったぜ!.…..ハッ!?」というような事になりかねません。上手くこの状態を抜けても、「よっしゃ飛ぶぜー!...…ハッ!?」というようにしっかり覚醒してしまいます。

  しかしこれもまた、訓練次第で覚醒を防ぐことができます。いきなり飛ぼうとすると、刺激が強すぎて覚醒する公算が大きくなります。なので最初はまずゆったりとした風景をイメージすること。状況に慣れて来たら徐々にしたいことをしてみましょう。

  とはいいましても私自身、上手く空を飛べたのは数えるほどどころか、1、2回程度しかありません。それほどなかなか上手くいかないものでした。
  ただ、上手く空を飛べた時の高揚感は、今でもありありと思い起こせます。

  言い忘れましたが私が明晰夢に挑んでいたのは10年以上前のお話です。それでも未だ鮮明に思い出せます。


明晰夢、その弊害


  たった今、明晰夢に挑んだのは10年以上前と述べました。それもごく短期間の事でした。なぜそんなに楽しいのに明晰夢を見ようとしなくなったのか。
  あくまで私の経験談ではありますが、明晰夢を見る確率が高まると同時に、金縛りにあう確率がまた高まっていったのです。
  経験がある方は分かると思いますが、金縛りは実に不快で、強い不安と恐怖を伴います。眠りに落ちた瞬間、ビィィィーーーーンという不快な音と共に痺れたようになる頭、光の明滅や不可解なイメージ、強い恐怖感。
  金縛り状態になり過ぎて、「あ、今寝たら金縛られる」というのが分かるようにすらなっていました。
   私見ですが、本来入眠から夢見までは十数分から数十分のタイムラグがあります。しかし明晰夢は入眠の瞬間を意識することで入眠直後に夢を見るという、いわば無理に夢見の状態を作り出してしまっています。これは金縛り状態を生み出す状況に近いです。
  ただ私には入眠後、明晰夢と金縛りに分岐する条件は分かりません。もし明晰夢試そうと思ったとしても、気をつけて頂きたいと思います。あなたの睡眠の質を下げ、健康を害す可能性があるのです。


※余談ですが、明晰夢を見る訓練のひとつに、夢日記をつけるというのがありました。ただ、私はあまり真面目に夢日記をつけなかったと記憶しているので、日記をつけた方がいいかは不明です。夢日記にも色々と弊害があるようなので、よく調べてから行って頂きたいと思います。

※もうひとつ余談です。私が小学生のとき、幽体離脱をする方法というのが何かの雑誌にありまして、「その方法が入眠直後に体を起こす」というものでした。実際にやってみたらそれらしい状況になりまして、浮遊感につつまれまさに幽体離脱のようでした。
  ただ目は開かず、このまま戻れなかったらどうしようというふうに怖い思いをしたのを今でも覚えています。これも夢の一種かと思います。
  


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