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MECEの使い方

MECEとは

問題を解決するために必要な情報を、抜け漏れやダブりがないように整理することです。Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字をとってMECE(ミーシー)と呼びます。逆に問題解決のための手段に漏れや抜けがあると問題解決にならなかったり、ダブりがあると非効率になります。

MECEの使い方


MECEツリーの使い方

上図を例に説明します。
まず仮定として”工場で事故が起きた”としましょう。
左端にまず事故をおいて、事故を”人起因”と”設備起因”に分けます。
そこで①~⑦の自己要因を出していきます。過去のこういう原因で事故があった、他社ではこういう事故があったなど要因を出していきます。
この際、抜けや漏れがないように整理しましょう。左から”抽象度”を下げていきましょう。また解決方法ありきで逆算して要因を出さないようにしましょう。
次に解決方法を挙げていき、どの要因に効果があるか確認しましょう。
この例だと、人起因の”ルール化”は①~④に効果があり一番有効な施策であることがわかります。しかしルール化は難易度が高く、ルールの精査やマニュアル化や標準化をするのかなど問題があります。まずは、現場での指差呼称の徹底や事故事例の教育に取り組むのがファーストステップになります。
手順をまとめると
①MECEツリーで要因の洗い出し
②解決方法を出す
③効果の検証と施策の優先順位を決める
④短期対策の実行と中長期対策の実行 になります。

MECEの良い点

①偉い人の思い付きの施策にならない
事故やコスト増加などネガティブな事象が起こると、偉い人が〇〇をしていないから××になるんだ!と〇〇という施策をやらされるケースがあります。
そこで偉い人はMECEツリーを作って説明すると現場が腹落ちしたり、逆に現場の人は偉い人の説得に使えたりします。論理的なので説得ツールに使えたりします。
②効果的で効率的
MECEを正しく使えると、抜け漏れダブりなしなので効果的で効率的な施策を打つことができます。また効果が大きい施策なら現場に定着することでしょう。

MECEの悪い点

①網羅的な施策をすべて実行しがち
MECEの特性上、たくさんの要因や施策が出て”すべて実行しよう”としがちですが、現実的に難しいケースが多いです。使い手は取捨選択をするという前提を持っていないと現場への無茶な要求になりがちです。
②既存の知識にとらわれてしまう
MECEは網羅的とは言え”実施者の知らない施策”は入っていません。よってイノベーティブな業務には不向きだったりします。
③人と人の問題には不向き
例えばMECEで顧客ニーズを絞ることはできますが、営業の問題などは顧客と話したりフィードバックをもらった方が早いです。人と人の問題はコミュニケーションで解決する他ないということが多いです。

次回予告

今回はMECEの使い方を考察しました。
次回はスイスチーズモデルについて解説したいと思います。


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