「調」を感じる!〜35歳でピアノを始めたきっかけ④
小学校高学年にもなると、習い事としてのピアノへの憧れや興味は一旦無くなって行きました。
10歳も過ぎれば、アイドル歌手や漫画・アニメ、そして私の世代ではなくてはならなかったファミコン!魅力的な新しい世界が友達を通してたくさん見えて来るお年頃…
今になれば、そりゃそうだよなぁとクスッとしたりもします。
両親が私にピアノを絶対に習わせなかった理由がココにもあるのです。やはりさすが親だなぁと…
しかし音楽やピアノへの興味は、この後も別の角度からますます深まって行きました。
私が卒業した小学校では、当時毎年秋に学習発表会という催しがあり、5・6年次に学校初の取り組みである表現付き合唱曲を学年全員で挑戦しました。
発表会当日は保護者や来賓も参観するのですが、ほとんどが劇や器楽合奏という慣例の中、5年次に初挑戦した私達の合唱「子どもの四季」は大きな話題となりました。
曲の雰囲気そのものは、翌6年次に挑戦した合唱「利根川」の方が感動的で更なる反響を呼ぶのですが、やはり合唱と一口に言っても独唱や朗読、体現を組み合わせた合唱はあまり例がなかったからでしょうか?学年の先生方は、市内でも話題になったと嬉しそうな顔で鼻高々に私達児童を褒めていた記憶があります。
翌年の6年次には、同じ曲集中の合唱「利根川」に挑戦しました。
この利根川も前年の子どもの四季同様、独唱と朗読と表現を組み合わせた合唱曲なのですが、大きく違うのは内容にストーリー性があるところです。
利根川にまつわる言い伝えやその流域に住む人々の様々な暮らしぶりを合唱で表現します。
実際にはこちらの曲の方が更に大きな感動を呼び、涙を流して感動する他学年の先生方までいて、来年度は私達の学年が引き継ぎます!とまで!!
実際、私自身も強く印象に残っているのはこの利根川の方です。
しかし、私は歌詞やストーリーというよりもやはりピアノ伴奏!まだまだ全然弾けませんが、あの感動を自分の手で再現してみたくて何十年も楽譜を探し、ようやく一昨年手に入れることが出来ました!!
しかしながら、そこまで印象に残るほどの効果とは一体何だったのか…
先にも書いたストーリー性はもちろんだと思うのですが、それを引き立てているのは紛れもなく曲!そしてストーリーに合わせて変化する「調」なのでは?という結論に、自分なりに至っております。
これら合唱曲には今楽譜を見るとさまざまな調号が付いていたんだなぁと、知識を習得し、再び楽譜を手にして初めて分かりました!この間、実に35年…
そうなんです!何度も転調する長い曲を合唱し、ピアノ伴奏を聴いていると、「あっ!ココ!!この辺何か好き!!」などの雰囲気を感じること、これこそがまさに調の性格を知り、感じ取るということだったんだ‼️と、今振り返るとそう思うのです。
私が全24調を理解し始めるまでにはその後何年もかかるのですが、この頃から私の中に自分の好き!と思う曲の雰囲気が、どれもなんとなく似ているような気がしていました。
それを言葉で表すことはとても難しく、歌ってみたりして、こんな感じ!としか表現出来ないことが長い間とてももどかしかったです。
この、私の好きな曲の雰囲気って一体どういうこと?どんな曲?という素朴な疑問と、それを知りたい!という強い気持ちもまた、大人になってもなおピアノを習いたいと思ったきっかけ、そして弾き続けたいと思う原動力になっています。
今回はつい熱くなり過ぎてかなりの長文となってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回はようやく中学生時代へ!きっかけシリーズの最終回です。
大好きだった音楽科の先生と、合唱コンクールについてを書いてみようと思います。