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暗いけどジーンとくる『ゴブリンスレイヤー』

 木曜はライトノベル愛語り。今回は大作『ゴブリンスレイヤー』です。
 現在、本編は16巻まで発売されている『ゴブリンスレイヤー』。残念ながら、まだ私は1巻目しか読んでません。だから、今回の記事は1巻目だけの感想として読んでください。途中から雰囲気が、がらっと変わってる可能性もあり得ますので…。
 『ゴブリンスレイヤー』は、討伐しても貰える金が少ないため、冒険者から相手にされにくいゴブリンを専門に狩る男、通称「ゴブリンスレイヤー(小鬼殺し)」を主人公とした物語です。1巻目の物語は割と淡々と進んでいき、最後に、山場となるゴブリン軍団とゴブリンスレイヤーとの対決を経て大団円となります。
 この作品、何とも言えない独特の暗さがあります。どこか暗い雰囲気が、全編をうっすらと覆っている…とでも言えば良いでしょうか。
 この作品の世界では、魔法もあれば腕利きの剣士なども登場しますが、ライトノベルに多い「チート能力」的なものは無く、ゴブリンとの戦いは極めて危険です。実際、物語の中では、多くの冒険者がゴブリンに殺されます。ある種リアルな点が、どこか我々の世界と似ていると言え、それが独特の暗さを生んでいる印象です。
 また、ゴブリンの無慈悲で冷酷な性格設定も、独特な暗さに繋がっているかもしれません。彼らは集団を作りますが、それは他者を利用するだけで、徹底して自分の事しか考えません。更に、受けた恩を恩と思わず、受けた屈辱や被害だけは恨みとして意識し続ける…救い様の無い性格です。こんな連中なので、僅かでもゴブリンに情けをかけた人は、筆舌に尽くしがたい非道な結果を受ける事になります。
 ただ、だからこそ、山場でのゴブリン軍団との対決が盛り上がります。我々と似た普通の人々が、様々な葛藤を乗り越え強大な敵と立ち向かう…ネタバレになるので詳しくは書きませんが、読み終えたらジーンと来ますよ。
 この、最後の救いがイイんだなぁ。

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